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急性腰痛症とは

スポーツ傷害Q&A

急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)

急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)は、 俗にぎっくり腰と呼ばれ一般的に、重いものを持った時や急に体をねじった時におこる急性の腰痛のことです。欧米ではその病態から「魔女の一撃」(Hexenschuss,独)とも呼ばれています。

原因

痛みが起こる原因は、腰椎椎間関節の捻挫や椎間関節の関節包の捲れやねじれによるものや、腰背筋の筋膜損傷(肉離れ)や腰椎椎間板ヘルニアが原因となるケースが多く見られます。症状としては、強い腰痛のための体動困難、歩行困難になり動作が制限される人もいますが、ものにつかまったりすることで何とか歩ける人もいて、症状には個人差があります。前かがみになったり、横向きで寝ることで症状が軽くなる人が多いです。注意しなくてはならないのは、急性腰痛症の中には一般的なぎっくり腰以外の病気が隠れていることがあります。

危険な腰痛のサインとして

  • 1か月以上続く腰痛
  • 楽になる姿勢がなく安静時痛(寝返り時は除く)を伴う
  • 発熱を伴う
  • 外傷(転倒や転落など)を受けた
  • 足の痺れがある(尿回数が増えたり尿失禁がある)

これらの徴候が見られた場合はさらなる精査が必要なため医療機関の受診をお薦めします。

治療

ぎっくり腰で腰痛が起こった場合、楽な姿勢で安静にしていることで自然治癒が促されます。市販の貼付剤(シップなど)や痛み止めを飲んでも構いません。しかし、痛みが軽くなってきたら安静を守る必要はなく、無理しない範囲で日常生活に戻っていくことをお薦めします。長期間の安静は、逆に回復が遅れることがあります。
薬物療法では、痛みを抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服や座薬、貼付剤が処方されます。腰背筋の筋膜損傷(肉離れ)の場合には筋弛緩薬が処方されることがあります。腰を安静にするためにコルセットを用いることもあります。痛みが強い場合は、ブロック注射を行うこともあります。注射は、症状に応じて硬膜外ブロックや椎間関節ブロック、トリガーポイント注射など使い分けます。
ただし、先程述べたような危険な腰痛のサインが見られる方は、医療機関を受診してください。

再発予防

ぎっくり腰になると、その後も繰り返す人が見られます。そういう意味ではクセになる人もいます。これは、過去に傷めた腰の関節が、加齢や老化によって緩みやすくなっているためだと考えられます。それを防ぐため腰の骨を支える筋肉や靭帯を鍛えることが重要です。そのため、ぎっくり腰を繰り返す人は日ごろから筋力を強くする体操を行うように習慣づけましょう。しかし、腰痛が強い時期に行ってはいけません。痛みがとれてから行ってください。腰痛体操の基本は、腹筋、背筋の筋力強化とストレッチングです。