ご挨拶(センター長/副センター長) 

センター長挨拶 片岡寛章(医学部長)

片岡寛章 我が国はいよいよ人口減少と高齢化社会の本格的到来を迎え、医療制度と医療現場には課題が山積しています。プレシジョンメディスン、分子標的治療、ロボット支援手術、さらにはAIなどの言葉に象徴される医学・医療技術の急速な進歩の恩恵を受ける一方で、医療体制の地域格差はますます顕在化し、医療費は高騰しております。我が国の優れた保険診療制度をこれからも維持していくためには、健康寿命を延ばし、すべての地域における在宅での医療を充実させることが肝要となりますが、医師の地域偏在・診療領域別偏在はまったく改善されておらず、新専門医制度の本格導入が今後の医師の適正配置にどのような影響をもたらすかも未知数のままです。
 このような社会情勢の中、医師、看護師をはじめとする医療人の育成をめぐっては、大きな変革の波が押し寄せています。医師育成においては、卒前の参加型臨床実習の充実とアウトカム重視型教育が要請され、行動科学の導入、他職種連携教育、地域医療に関する教育・実習機会の充実なども求められると共に、卒前と卒後の一貫教育の重要性が強調されています。看護師育成においても卒前教育のあり方が見直されようとしておりますし、急性期医療から在宅医療で活躍する看護師養成を目的とした特定行為研修制度もスタートしました。また、医療安全や医療技能教育におけるシミュレータを活用した実習の重要性は益々高まっており、ハード・ソフト両面での教育環境整備が不可欠な時代となっています。加えて、女性医師の割合が将来的に4割に達すると予想される中で、その配偶者となる可能性も高い男性医療関係者も含め、医療人のキャリア形成はますます多様化し、女性医師・看護師の出産や育児後の復職支援も極めて重要です。
 宮崎大学医学部医療人育成支援センターは、これら山積した課題に柔軟に対応していくために2015年に新設されました。本センターは、卒前教育、卒後臨床研修、そしてその後の専門医養成期間を通して一貫した医師養成を支援する臨床医学教育部門に加え、看護実践教育部門、医療シミュレーション教育統括部門、医療人キャリア支援部門の4部門が統合された組織です。このような教育組織は全国的にもあまり例がなく、変動の激しい医療者養成分野に柔軟に対応していくための大改革であったと、考えています。医学部医学科で行われた医学教育の国際基準に基づいた分野別認証評価における実地調査(2018年11月)においても、本センターは外部委員から高く評価されました。現在、それぞれ違うキャリアを持つ8名の専任教員が着任しており、本学のスローガン「世界を視野に地域から始めよう」を体現すべく、宮崎大学医学部で学んだことに誇りを持ち、地域に根を張りながら、全国でも活躍できる視野の広い医療人の育成を目指し、それぞれの経験を活かして頑張っています。シミュレーション教育のためのシミュレータもますます充実してきました。本センターの活動に、これまで以上のご協力とご支援をお願い申し上げます。

臨床医学教育部門教授挨拶 小松弘幸(副センター長)

小松弘幸 皆様、こんにちは。私は宮崎県日向市生まれで、宮崎医科大学出身(1998年卒)です。腎臓内科をsubspecialityとする内科医として診療・研究に従事しておりましたが、2006年より卒後臨床研修センター(専任・副センター長)、2008年より医学教育改革推進センター(准教授)で卒前・卒後教育に関わってきた経験をご評価いただき、この度、臨床医学教育部門長および副センター長を担当させていただくこととなりました。 臨床医学教育部門が果たすべき役割と達成すべきアウトカムは次の3点と考えています。①大学医学部教育の根幹維持:将来医師を目指す医学生としての自覚を促す早期医療体験や基本的診療能力の教育実践と共用試験・臨床実習後OSCE等による学習成果の評価、大学を中心に宮崎県全体を臨床フィールドとした臨床研修および専門医プログラムの展開、②人間性豊かな医師の育成:医療人としての態度・教養、コミュニケーション能力、医療倫理・医療安全、医療プロフェッショナリズムの4つを習得目標とした反復教育機会の提供、③地域社会への貢献と学際性の追求:若手医師の宮崎定着数増加と地域医療への貢献、リサーチマインドの涵養、教育成果の学内還元と全国・海外への発信、次世代医学教育者の育成、を達成すべきアウトカムと位置づけた活動の展開。この中で医療シミュレーション教育を積極的に活用し、医学生の頃から医師キャリアを考える機会も増やしていく予定です。 相当欲張った抱負ですが、志は高く!です。「教育は会議室でできるんじゃない!臨床の現場でできるんだ!」をモットーに、皆様のお力をお借りしながら着実に取り組み、全国から「宮崎モデル」と一目置かれる教育体制の構築を目指して頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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