センター概要/活動内容

1. 医療人育成支援センターの概要説明

卒前医学教育における医学教育分野別認証評価の導入、臨床研修制度の見直し、新専門医制度開始など、医学教育・医師養成制度は現在大きな変革期を迎えております。この状況下、宮崎大学医学部では、卒前教育6年、臨床研修2年、専門医養成3年の11年間を通して一貫した医師養成を支援・実践する臨床医学教育部門に加え、看護実践教育部門、医療シミュレーション教育統括部門、医療人キャリア支援部門の4部門を統合した医療人育成支援センターを2015年10月に新設しました。卒前・卒後・専門医を縦断的にマネジメントできる教育部門は全国的にもあまり例がなく、上記4部門を一元化した組織はおそらく全国初となります。丸山眞杉センター長(医学部長)を中心に、2016年9月の時点で医師5名、看護師2名、事務職1名が揃い、これからこの新たな教育ユニットを本格始動させるべく鋭意活動を開始しております。

2. 各部門の活動内容

1) 臨床医学教育部門

臨床医学教育部門では、「大学医学部教育の根幹維持」、「人間性豊かな医師の育成」、「地域社会への貢献と学際性の追求」の3つを達成目標として活動を開始しております。卒前医学教育では、医学科1年生への医学・医療概論と学内早期体験学習、2年生への早期地域医療体験学習を通じて、入学早期より医学生に将来医師として社会的役割を果たしていく自覚を明確に意識付けています。4年生では、診断学実習や症候学講義と共用試験(OSCE/CBT)も主体的に担当し、5年生の臨床実習では、医療シミュレーション教育を有効に活用しながら医療面接・身体診察技法および基本的臨床手技の習得を実技指導しています。臨床実習終了時には臨床実習後OSCEの課題作成と実施・運営を担当し、卒前教育で習得すべき臨床技能および態度について総括的な評価を行っています。卒後臨床研修では、この10年間で連携を確立させた22の大学診療科と55の協力型臨床研修病院・施設による宮崎県内全域を研修フィールドとした豊富な研修資源を十分に活用し、大学での高度先進医療と地域密着型医療を2年間で同時に経験できる宮崎大学独自の研修プログラムを継続的に推進しています。専門医養成では、宮崎大学に専門医プログラム連絡協議会を設置し、基本19領域の専門医プログラムの進捗状況の把握と後方支援を行いつつ、大学代表として県内医療機関や行政機関との交渉・調整を行っています。これらの過程の中で、医療人としての態度・教養、コミュニケーション能力、医療倫理・医療安全、医療プロフェッショナリズムの習得を重要視しています。来年度からは「マインドフルネス/行動医学」という新たな講義も立ち上げるべく準備を開始しています。また、地域医療に貢献できる医師を育成し、宮崎大学および宮崎県の若手医師確保に寄与していくことも重要で、宮崎大学と地域病院が構築するスパイラル型の医師養成環境を充実させ、若手医師の地域定着の促進を図っています。

2) 看護実践教育部門

看護実践教育部門では、看護学生の臨地実習における看護学科と附属病院看護部の教育連携の強化や実習フィールドの充実を進め、卒業後も宮崎で継続して看護師を続けていけるような就職支援に繋げたいと考えています。具体的には、卒前・卒後の医師・看護師養成において、コミュニケーション教育、医療安全や医療倫理教育、フィジカルアセスメントや臨床推論の基本的な部分は共通する修得項目が多いため、このような領域で双方の教員が教育資源や方法を積極的に相互共有できるような体制作りや、早期離職者に関する実態調査を行い、原因究明とその対応についても情報提供や提言できるような活動の推進を検討しています。

3) 医療シミュレーション教育統括部門

本学では多種類のシミュレータを一元管理する臨床技術トレーニングセンターを2009年に開設し、これまで医学生や研修医教育のみならず、薬剤師のフィジカルアセスメント実習、女性医師・看護師復職支援実習、大学オープンキャンパスでの活用など、様々な取り組みを通じてシミュレーション教育の認知と普及に努めてきました。その結果、現在では年間約4,500名に利用されています。2015年には、基本診療・技能シミュレーション室、高度医療シミュレーション室、聴診技法トレーニング室、看護ケアシミュレーション室、カンファレンス室の5部屋を擁する大規模なトレーニングセンターへと拡充されました。今回、同センターの管理・運営が医療人育成支援センターの一部門として明確に位置づけられたことから、今後は大学内のみならず県内の医療者の方々にも開かれた公益性の高い施設へ発展させていくため、施設利用規程や手順の整備を進める予定です。

4) 医療人キャリア支援部門

医療人キャリア支援部門では、医学生・看護学生に対してキャリアの考え方・心構えや情報提供をテーマとする講義や説明会を積極的に行っています。例えば、医学科・看護学科1年生合同で実施する「医学・医療概論」では、今年度より本学および国内で活躍する8名の宮崎出身講師から様々なテーマで医師・看護師の将来像を含めた講義を行っていただいています。また、医学科1年生の「学内早期体験実習」でも、「医師のキャリアについて」、「医師とは何かを考える」といったテーマで入学時より自身のキャリアと向き合う場を増やしています。5、6年生でも、オリエンテーションで医師キャリアについて取り上げ、臨床研修、専攻医取得、大学院進学、国内外留学、臨床と研究のバランス、働く場の選択など、多様なキャリアパスのあり方を提示しています。今年から本学キャリアデザインサポート委員会や清花アテナ男女共同参画推進室とも連携して、より個別の状況や事例に則した取り組みを行っています。

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