お知らせ・活動報告

タイ王国キングモンクット工科大学生が宮崎大学を視察


母国の医療体制の更なる向上を目指して~タイ王国キングモンクット工科大学生が宮崎大学を視察

2024年5月16日、タイ王国キングモンクット工科大学生20名が宮崎大学医学部附属病院を視察しました。本企画は、「東九州メディカルバレー構想」の人材育成の一環として実施されたものです。九州医療科学大学(旧九州保健福祉大学)の竹澤眞吾教授がこれまでタイ王国の医療者や学生を招き、日本の医療を学んで貰い、母国の医療体制の更なる向上を目指す若者の育てることを目的として継続して行ってきました。今回初めて、宮崎大学医学部で滞在期間のうち1日を担当することになりました。Clinical engineering(病院で医療機器のメンテナンスを行う)、Hospital engineering (病院全体の医療技術サポート)、Biomedical Innovation(医療医薬品企業での研究開発)を目指す若者で、自費で渡航すると聞きましたので、医学部国際交流室の坂口慶子さん、江崎綾子さん、医工連携コーディネーターの中村小夜子さん、当講座の阪本訓代さんと入念に準備しました。

学生は統一した半袖の制服姿でした。一見してすぐに素直で、純粋さが伝わる学生さんたちだと分かりました。日中の宮崎は晴れ、気温は24℃でした。私には心地よい風でしたが、40℃を超えるタイからの来訪者には寒い1日だったようです。彼らの名前の表記(スペル)は複雑で私には到底読むことも覚えることも出来ませんでした。しかし、本名からは想定できないニックネームを持っていましたので、これを使うことにしました。菱川善隆医学部長のご挨拶の後、手術室、ICU、リハビリ室、血液浄化部、採血室・検査室、心臓カテーテル造影室の6か所を4つのグループに分かれて視察しました。通訳は殊の外難しく、各部署で対応して下さった皆様の説明を瞬時に適切な英語へ変換することが出来ず始末でした。幸い、私がエスコートしたグループには日本語を理解する学生が2名いましたので、日本語➡タイ語で通訳してもらうことがありました。日本のアニメーションの影響力は多大です。

病院は広く整然とし、高度な医療機器が揃い、待合室の患者さんは静か、通路の分かりやすい案内導線、等々、彼らにはカルチャーショックで、印象深い出来事が多くあったようです。検査室のオートメーション化された機器には目を丸くしました。手術着に着替えての手術室やICU見学が初めてだった学生も居り、当院の臨床工学技士に説明して貰い、きっと鼓舞されたことでしょう。各部局の皆様には私が期待していた以上に懇切丁寧に対応して頂き感謝申し上げます。今回来訪した学生の多くが、medical engineerを目指すためか、臨床工学技士の皆様の説明には熱がこもっていたようでした。帰りのバスに乗り込む学生諸君の瞳は満足感に浸っており、日本(宮崎)での体験を母国での未来の糧にして貰えれば、本企画を催した甲斐があります。

最後に、今回を礎に宮崎大学医学部が世界と一層つながる大学へ展開することを願います。


2024.05.20. お知らせ・活動報告