研究業績

Nitroglycerin use and adverse clinical outcomes in elderly patients with acute coronary syndrome


ニトログリセリンは急性冠症候群(ACS)の治療薬として、長い間使用されてきたものの、ACSの転帰改善を支持する研究は限られています。また、高齢患者の増加や、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と至適薬物療法などのACS管理の進歩により、ニトログリセリンの有効性を再評価する必要性が高まってます。今回、宮崎県立延岡病院の単施設後ろ向き研究で検討した結果、特に75歳以上の高齢患者においてPCI実施前のニトログリセリン投与が血圧低下および有害な臨床転帰と関連することが示され、Open Heart誌(2024年1月11日号掲載)に報告しました。

宮崎県立延岡病院は、急性期集中治療の中核を担う地域の基幹病院であり、延岡市で唯一PCI治療が可能な心臓カテーテル検査室を有する施設です。延岡病院から最も近いカテーテル検査室のある施設は約60km離れた他県にあります。したがって、延岡市のACS患者が他施設に救急車で搬送される可能性は低いと考えられます。この地理的な特徴により、延岡市のACS入院患者の正確な臨床転帰を研究することが出来ました。

https://openheart.bmj.com/content/11/1/e002494


2024.02.02. 研究業績