宮崎大学 医学部 内科学講座 神経呼吸内分泌代謝学分野(第3内科)

医局員ブログ

日本糖尿病・肥満動物学会トラベルグラント受賞

2016年03月15日

3月4-5日に、埼玉県さいたま市で開催された日本糖尿病・肥満動物学会で、当科の大学院生、ナズニン・ファーハナさんがトラベルグラントを受賞しました。演題名は、「High fat diet (HFD) cause ghrelin resistance by inflammation」で、ナズニンさんが2015年にJournal of Endocrinology に論文報告し、学位を取得した内容を中心とした発表です。グレリンは、空腹時に分泌が増えて摂食を亢進させる作用があるペプチドです。ナズニンさんは、マウスに高脂肪食を12週間摂餌させると、このグレリンによる摂食亢進作用が消失するグレリン抵抗性が生じることを見出し、その機序として、迷走神経節のグレリン受容体(GHSR)の発現が低下してグレリンシグナルの減弱し、末梢のエネルギー代謝情報の神経を介する中枢への伝達が抑制されることを証明しました。

ナズニンさんは、バングラデッシュからの留学生でご主人のワイズさんとともに、当研究室の中心メンバーとして研究をしています。また、留学中に女の子を出産し、異国の地で子育てをしながら頑張ってくれています。今回の受賞は、ナズニンさんのこれまでの努力が報われたものと大変嬉しく思います。

日本糖尿病・肥満動物学会は、糖尿病や肥満のモデル動物を中心とした学会で、モデル動物を作製する研究者、動物実験の検査機器や試薬のメーカー、それらを利用して病態を解明する研究者など幅広いジャンルの研究者が発表し交流できる場で、大変興味深い内容でした。なお今回は、当科の中里教授も、学会賞「米田賞」を受賞されています。

糖尿病グループ 迫田秀之