泌尿器科代表疾病

当科で治療を行う代表的な疾患は以下の通りです。

宮崎大学医学部附属病院泌尿器科では、子供からお年寄りまでのさまざまな泌尿器科の病気に対して、最先端の治療を安全に提供できるように心がけております。このページでは、当科で治療する主な疾患、特徴的な治療法を行っている疾患を紹介します。現在、ご紹介していない治療対象の疾患も数多くあります。今後、掲載していきますので、ご期待ください。

女性泌尿器科(じょせいひにょうきか)

◆頻尿・尿漏れといった排尿に伴う症状や、膀胱・子宮・直腸などの臓器が膣の入り口から飛び出てくる骨盤臓器脱(性器脱)といった女性特有の“おしも”の不具合は、非常に多くの女性を悩ませる症状です。更年期以降の女性に多く認めます。
◆どの科を受診したらいいのか分からなかったり、恥ずかしさのため受診をためらってしまい一人で悩んでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。
◆当科ではこのような症状・疾患で生活の質を落としている女性が、抵抗なく受診できるよう女性の為の泌尿器科外来を行っております。
◆なにか困ったことがあれば気軽に当院までご相談にいらしてください。

<骨盤臓器脱(性器脱)とは>
次のような症状の経験はありませんか?
・股の間にピンポン玉のようなものが触れたり
・歩くときに何か股にはさまったような感じがする
・重いものを持って歩くと何かが出てくる
女性特有の骨盤臓器脱(性器脱)の症状かもしれません。
女性の骨盤の底には、子どもを生むために産道という大きな穴が空いています。
この穴をふさぐようにして骨盤底筋群という筋肉がハンモック状に張られていて、骨盤内の臓器(膀胱、子宮、直腸)が落ちないように支えています。
出産や加齢、肥満によって骨盤底筋群が傷ついたり緩むと、尿や便が漏れ(排尿・排便障害)、さらに、支えを失った骨盤内臓器が産道、つまり膣をめがけて落ちてくることがあります。これが子宮脱などの骨盤臓器脱(性器脱)です。

(頻度)
• 経膣分娩を経験した女性の約3割程度が罹患する疾患
• 米国女性の11%が80歳までに骨盤臓器脱または尿失禁の手術を行う
(原因)
• 経腟分娩
• 骨盤底筋張力低下
• 肥満、慢性の便秘や慢性の咳
(合併症)
• 排尿困難・尿漏れ等
(検査)
• 腹部、外陰部診察(台上診)
• 尿流量測定、検尿、エコー(残尿測定)
• 膀胱尿道造影検査
(治療)
• 骨盤底筋体操
• 薬物療法(漢方薬など)
• リングペッサリー
• TVMメッシュ手術
• LSC(腹腔鏡下仙骨腟固定術)などがありますので、詳しくは当院当科で説明します!



<間質性膀胱炎とは>
おしっこがたまったときに、下腹部に痛みを感じ、すぐに排尿しなければならない状態で、頻尿を呈する疾患です。

◆2000年頃より、徐々に間質性膀胱炎への注目が高まり、2001年に日本間質性膀胱炎研究会が発足、2007年に診療ガイドラインが初めて作成された。
◆患者数は、米国では100万人以上、日本では約25万人いると推定されている。
◆約90%が女性。
◆日本においては、多くが診断を受けていない状態か、過活動膀胱として治療を受けている状態です。

(診断基準)
「膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患」
(症状)
・頻尿・夜間頻尿、尿意亢進、残尿感、膀胱不快感、膀胱痛などが主体
・畜尿時、冷えた時、刺激物の摂取や精神的なストレスでも悪化。
・痛みの部位は膀胱・尿道が多いが、膣・外陰部・腰部などにも波及することもある。
・特徴的な充満時膀胱痛を訴えず、頻尿症状のみを訴える症例も多い。
(初診時の検査)
• 検尿
• 問診(問題スコア ・症状問題スコア)
• 尿流測定、残尿検査
• 尿細胞診
• 膀胱鏡:膀胱容量250ml以下を確認
• 排尿記録
(治療方法)
①生活指導、薬物療法
②外来での膀胱内薬剤注入など
③膀胱水圧拡張術(入院)