先進医療

2005年7月に、厚生労働省により「先進医療」が創設され、2008年6月宮崎大学医学部附属病院では間質性膀胱炎の治療法である「膀胱水圧拡張術」の承認を受け、先進医療としての膀胱水圧拡張術を施行してきました。その治療効果も評価され、2010年4月1日より膀胱水圧拡張術が施設基準を満たすという条件付きで保険適応となりました。宮崎大学医学部附属病院ではこの基準を満たしており、従来の先進医療の型から一般の病気と同じように保険診療の形で安心して治療が受けられます。

先進医療とは

平成16年12月の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)、行政改革担当、構造改革特区・地域再生担当との「基本的合意」に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとしたものです。

また、先進医療は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)において、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。具体的には、有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとしたものです。

なお、先進医療については、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、保険診療との併用を認めたものであり、実施している保険医療機関から定期的に報告を求めることとしています。

先進医療の特徴

1. 保険収載直前の医療技術を対象
2. 特定療養費制度の一環
(※特定療養費制度は、平成18年10月1日より評価療養制度と選定療養制度に変わりました。)
3. 保険診療との併用を認めるもの
4. 使用する医療機器または医薬品は、薬事法上の承認を受けている必要がある。

厚生労働省保険局ホームページより

先進医療の特別料金を自費で負担

先進医療を受けた時の費用は、患者は一般の保険診療の場合と比べて、先進医療の費用(特別料金)を負担することになります。
通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料)は、保険として給付される部分になります。

先進医療を受けるときは

先進医療を受ける場合であっても、病院にかかる時の手続きは一般の保険診療の場合と同じで、被保険者証(老人医療対象者は健康手帳も)を窓口に提出します。
先進医療は、一般的な保険診療を受けるなかで、患者が希望し、医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われることになります。

説明を受けて納得の上で同意書署名

進医療を受ける時は、治療内容や必要な費用などについて、医療機関より説明を受けます。説明内容について十分に納得したうえで、同意書に署名し、治療を受けることとなります。

領収書はたいせつに保管

先進医療を受けると、先進医療に係る費用、通常の治療と共通する部分についての一部負担金、食事についての標準負担額などを支払いますが、それぞれの金額を記載した領収書が発行されます。この領収書は、税金の医療費控除を受ける場合に必要となりますので、大切に保管してください。