医局員の一日


毎朝8時からモーニングカンファレンスが始まります。
産科チームであれば、分娩報告や新入院患者のプレゼンテーションであったり、婦人科チームであれば手術報告、新生児チームであれば最近1週間の出生児の経 過報告を行います。一見、”研修医いじめ?”とも思えるような質問攻撃ですが、この試練に耐えてこそ一人前の産婦人科医になれるのだと信じ、日々励んでいます。

 

モーニングカンファレンス終了後、各チームに分かれ、それぞれの業務を行います。私は今年6年目の医員で、現在新生児チームの一員として勤務しています。 新生児チームでは、まずNICUの回診から始まります。児玉先生を中心にスタッフ全員で話し合いながら、それぞれのbabyのその日のミルク量や点滴指示を出していきます。その後、その指示をもとに1日分の輸液や抗生剤の作成を行います。

 

ここ総合周産期母子医療センターで働く医師のほとんどが産婦人科医ですが、循環器に問題のあるbabyや代謝疾患、けいれんなどでは、小児科の専門医に相 談しながら治療方針を決定します。超低出生児に併発する消化管穿孔やソ径ヘルニアなどの外科疾患では、昼夜問わず、外科医師に電話連絡し、すぐに対応していただいており、嫌な顔も見せず、保育器内で手術してくださる、近藤先生はじめ、1外科医師なくしては、今の救命率はありえません。たくさんの医師の手で、このNICUは支えられています。

 

もちろん、いきなり”今から緊急帝王切開です”という連絡が入ることもしばしばあります。慌てて蘇生の準備をしたり、抗生剤点滴などのルーチンワークを分 担して済ませます。帝王切開では、手術室で babyを術者から受け取り、蘇生を行い、その後手術室からNICUに移動します。実は、このbabyがでてくるまでの時間が一番緊張します。 NICU入院後、身体所見、血液検査、心臓および頭部の超音波検査、血管ルート確保などを行います。新生児はチーム医療です。でも急性期の処置が終わる と、そこにいたはずのDrがひとり、またひとりと姿を消し、残された者はさみしくカルテ整理やその後の全身状態の管理を行っています。

 

夕方になると、その日の当直医を交えて、テーブルカンファレンスを行ない、それぞれの babyの1日の経過を、体温板をみながら確認するとともに、当直にあたっての注意点等の申し送りをします。また、翌日の採血のオーダをだし、当直医は、 その指示に従い翌朝血液検査と8時の定期抗生剤投与を終わらせるのが任務です(これは主に下直の仕事)。当直は2人制(一般に上直、下直と分類される) で、夜も交代で寝ずの番をすることになります。無事朝を迎えると、ほっとするのも束の間、また一日が始まります。

 

嵐の日もあれば、凪の日もあります。状態が安定していたbabyが急変することもあり、心身ともに疲弊してしまうこともしばしばですが、生命の危機を脱したbabyが保育器の中で安らかに眠っている姿をみながら、”がんばらなければ”と自身で奮起し日々診療をしているというのが実情です。ただ、”生命の誕生”という場面に立会い、産科、新生児チーム一丸となって母児管理を行うという、その醍醐味はなにものにも代えがたく、だからこそ続けていられるのではないかと思います。

 

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