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アドレノメデュリンを用いたCOVID-19による肺炎の重症化予防―医師主導治験 Phase II a

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研究概要

研究代表者 : 北村和雄(フロンティア科学総合研究センター特別教授、元医学部内科学講座教授)
研究開発期間 :令和 4 年 7 月 19 日 ~ 令和 5 年 3 月 31 日
契約(交付)予定額 : 128,200 千円(間接経費を除く)

研究の背景

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界的流行が継続しています。
ワクチンや抗ウイルス薬等の開発・実用化が進み、また、ウイルス株の変化によって、発症しても軽症で留まる患者の割合が増えています。
しかしながら、一定数の患者は中等症から重症へと症状が進行してしまい、このような状態になった場合の治療薬は未だ限られているのが現状です。
このため、感染拡大が続いている日本では死亡者の絶対数は高止まりしています。

研究開発代表者が発見した「アドレノメデュリン(AM)」は、生体内にあるペプチドホルモンです。
COVID-19を含む重症の炎症患者では体の中でのAMの量が増加し、炎症による臓器障害を抑制していると考えられています。
また、実験動物において、AM投与が炎症による臓器障害を軽減することが確認されています。

研究の取り組み

COVID-19による肺炎患者にAMを投与することで、患者の治療期間短縮や生命予後の改善が得られるかを検証する下記の二つの多施設共同の医師主導治験(前期第Ⅱ相試験)を実施します。
これらの治験を完遂し、COVID-19による中等症から重症肺炎に対する新しい治療薬開発に取り組みます。

(1) 中等症患者対象: アドレノメデュリンを用いたCOVID-19による中等症肺炎の重症化予防
(臨床試験登録番号 jRCT2071210038)

(2) 重症患者対象: アドレノメデュリンを用いたCOVID-19による機械換気を要する肺炎の重症化予防肺炎
(臨床試験登録番号 jRCT2071200041)

参考URL等

▽2021/3/25 宮崎大学プレスリリース「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の開発状況」
http://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20210325_01_press.pdf

▽ 2020/10/9 宮崎大学プレスリリース「新型コロナウイルス感染症関連重症肺炎に対する治療薬の医師主導治験を開始」
http://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20201009_01_press.pdf

▽ 参考 : Adrenomedullin therapy in moderate to severe COVID-19. Biomedicines. 2022, 10, 533. doi.org/10.3390/biomedicines10030533.