企業訪問記
MEDICAL FAIR ASIA 2024(@シンガポール)視察記
宮崎大学医学部外科学講座および解剖学講座の甲斐健吾です。
私は外科医としての経験を活かしながら、現在、医療機器開発と基礎研究に従事しています。また、宮崎県内企業と連携して、患者教育用VRデバイスの開発プロジェクトにも携わっています。
今回、2024年9月11日から13日にかけて、シンガポールで開催された東南アジア最大級の医療機器展示会「MEDICAL FAIR ASIA 2024」を、宮崎県内企業や県職員の方々と共に視察する機会をいただきましたので、その様子を報告をさせていただきます。


「MEDICAL FAIR ASIA 2024」には、世界中から591社が参加しており、特にアジア地域から多くの企業が出展していました。開催国シンガポールをはじめ、中国、台湾、日本、韓国など、アジアの各国が集結し、アメリカ、スペイン、イタリアなど、欧米諸国からも多数の企業が参加し、非常に国際色豊かなイベントでした。
宮崎県内企業である安井株式会社が製造する「コウプライト」(LED照明付きプラスチック鈎)は、九州ヘルスケア産業推進協議会(HAMIQ)のブースを拠点に、海外市場開拓を目指し展示されました。私は外科医および医療機器開発の経験から、この取り組みをサポートさせていただきました。「コウプライト」は、その特徴的なデザインで来場者の関心を集め、多くの海外の医療機器ディストリビューターとの商談が実施されました。
また、宮崎大学外科学講座・看護部と株式会社L.A.Bが共同で開発を進めている「OSTrain-VR」もPRすることができ、海外の方々から強い関心をいただいたことは、今後見据える事業展開にとって貴重な経験となりました。


展示会視察に加えて、シンガポールの自治体国際化協会事務所や、ジャパングリーンクリニックシンガポールを訪問し、東九州メディカルバレー構想の活動についてPRを行う機会をいただきました。シンガポールの医療保険制度についてもご説明を受け、国や地域ごとの医療制度の違いや文化的な背景を理解することの重要性を改めて実感しました。
今回の視察を通じて、世界中の人々がそれぞれの分野で医療系ものづくりに取り組み、自国の枠を越えて広げたいという情熱を持っている姿に触れることができました。宮崎から生まれるアイデアや技術を、多くの方々に届けたいという思いがさらに強まりました。今回の貴重な学びの機会を与えてくださった鶴田教授、そして宮崎県食品・メディカル産業推進室の皆様に、深く感謝申し上げます。
