研究業績

Angiotensin II Induces Aortic Rupture and Dissection in Osteoprotegerin‐Deficient Mice


Tsuruda T, Yamashita A, Otsu M, Koide M, Nakamichi Y, Sekita-Hatakeyama Y, Hatakeyama K, Funamoto T, Chosa E, Asada Y, Udagawa N, Kato J, Kitamura K. J Am Heart Assoc. 2022; e025336. doi: 10.1161/JAHA.122.025336.

骨代謝に重要な役割を担うRANKL (Receptor activator of nuclear factor kappaB ligand)とOPG(osteoprotegerin)が血管の構造にも影響することを示した論文です。昇圧ペプチドであるアンジオテンシンIIをOPG遺伝子欠損マウスに投与すると大動脈破裂により死亡する個体が多くみられました。OPGはデコイ受容体としてRANKLの破骨細胞の分化・成熟を抑制しますが、OPG欠損状態ではRANKLの過剰作用により血管壁の細胞外マトリックスが脆弱化して大動脈破裂に至ったと考えています。遺伝的にOPG欠損を示す若年性パジェット病患者に血管の構造異常(両側の巨大海綿静脈洞部の内頚動脈瘤)を示す例が報告されます。「骨」と「血管」を結ぶ研究です。


2022.11.30. 研究業績