ハツカネズミと日本人

分類 珍玩鼠育艸
名前 突然変異の鼠たち
説明 我が国ではずいぶん昔からネズミが愛玩用として飼われていた.江戸時代の天明7年(1787)に刊行された 「珍玩鼠育艸ちんがんそだてぐさ」という20帖(40頁)の小冊子(158mm x 105mm)には、ネズミの飼養、雌雄判別、繁殖、交配法などについて書かれている(早川, 1987).
この冊子の12・13頁には上に示す突然変異のネズミの絵があって、それらは右上から「熊斑くまぶち」「日月の熊」「頭斑かしらぶち」「黒目の白鼠・豆斑まめぶち」である.
 本書はハツカネズミの解説書として有名であるが、この絵のネズミを見ると尾や後足に毛が生えていて、身体の大きさに比べて頭部や耳が小さいこと、10頁 目にある有名な「飼い慣らされたシロネズミ」の図にある童の手の平に乗っているネズミの大きさなどからは、ラットの様にも思われる.
維持研究機関  
参考文献 1. 定 延子(1787) 珍玩鼠育艸、銭屋長兵衛板、
2. 早川純一郎(1987) 「珍玩鼠育艸」考、ラボラトリーアニマル、4(1):33-36(上の図は本誌より引用した).
3. Tokuda, M.(1935) An eighteenth century Japanese guide-book on mouse-breeding. J. Hered., 26:480-484.
4. 上野益三(1982) 博物学短編集、本文;101-145、解説;8-9、恒和出版、東京都.・・・1. の全文が載っている.