研修について
看護師特定行為研修とは
特定行為研修は、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修です。
本研修を修了した看護師が、医師が作成した手順書に従って特定行為を行うことで、患者さんの状態を見極め、タイムリーな対応をすることなどが期待されています。
看護師特定行為研修の教育理念
宮崎大学、医学部、看護部の教育理念に基づき、看護師特定行為研修（以下、「特定行為研修」とする）を通して、地域医療の質向上に貢献できる、豊かな人間性と倫理観、看護専門職者として高度な臨床実践能力を有する看護師を育成します。
看護師特定行為研修の目的
本特定行為研修の教育理念に基づき、特定行為を実践できる看護師を育成します。研修を修了した看護師が、患者及び国民、そして医師・歯科医師やその他の医療関係者から期待される役割を十分に担うために、急性期医療や在宅医療に現場において高度な臨床実践能力を発揮できる人材となり、地域医療に貢献することを目的としています。
看護師特定行為研修の目的
- 高度医療及び在宅医療の現場において、迅速かつ包括的なアセスメントを行うための知識、技術及び態度の基礎的な能力を養う
- 患者の安全や倫理性に配慮し、臨床判断を適切なタイミングで行い、必要な特定行為を実施できる能力を養う
- 医学的視点と看護学的視点を融合した役割の中から、多職種の専門性を尊重し、チーム医療が円滑に働くように支援できる能力を養う
本院で開講する特定行為
【区分別特定行為研修】（区分別選択コース）
| 特定行為区分 | 特定行為 |
|---|---|
| 創傷管理関連 （厚生労働省へ申請中） | ・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 ・創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
| 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
| 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連（厚生労働省へ申請中） | ・抗けいれん剤の臨時の投与 ・抗精神病薬の臨時の投与 ・抗不安薬の臨時の投与 |
【領域別特定行為研修】
外科術後病棟管理領域パッケージ
| 特定行為区分（12区分） | 特定行為（15行為） |
|---|---|
| 呼吸器（気道確保に係るもの）関連 | ・経口気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
| 呼吸器（人工呼吸療法に係るもの）関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
| 呼吸器（長期呼吸療法に係るもの）関連 | ・気管カニューレの交換 |
| 胸腔ドレーンの抜去 | ・低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更 ・胸腔ドレーンの抜去 |
| 腹腔ドレーンの抜去 | ・腹腔ドレーンの抜去 |
| 栄養に係るカテーテル管理（中心静脈カテーテル管理）関連 | ・中心静脈カテーテルの抜去 |
| 栄養に係るカテーテル管理（末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理）関連 | ・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 |
| 創部ドレーン管理関連 | ・創部ドレーンの抜去 |
| 動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 |
| 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
| 術後疼痛管理関連 | ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
| 循環動態に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 |
術中麻酔管理領域パッケージ（厚生労働省へ申請中）
| 特定行為区分（６区分） | 特定行為（８行為） |
|---|---|
| 呼吸器（気道確保に係るもの）関連 | ・経口気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
| 呼吸器（人工呼吸療法に係るもの）関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸器からの離脱 |
| 動脈血液ガス分析関連関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 |
| 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・脱水症状に対する輸液による補正 |
| 術後疼痛管理関連 | ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
| 循環動態に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 |
研修内容
厚生労働省が定めた「特定行為に係る看護師の研修制度」に基づいて、「共通科目」「区分別科目」より構成されています。
| 共通科目 | ＋ | 区分別科目 |
| 全ての特定行為区分に共通して必要とされる能力を身につける研修 共通科目の合計時間数：252時間 | 特定行為区分ごとに必要とされる能力を身につける研修 各区分の合計時間数： 例） 【外科術後病棟管理領域パッケージ研修】：120時間 |
特色
働きながら学べる
e-ラーニングの講義時間においては、研修生が学習時間、学習場所を主体的に選択し取り組むことができます。通常の業務終了後や休日にe-ラーニングを自分の好きな時間に自宅からでもアクセスできるので、仕事に従事しながらの受講が可能です。
臨床実習においては、原則、当院での実施となりますが、希望があれば、研修生の所属施設を協力施設として実習することも可能です。
豊富な講師陣
各専門医、臨床指導医、臨床倫理部などの教員、薬剤師、専門・認定看護師など多職種からなる講師陣が講義と実習を担当します。
学習環境
医療手技のトレーニングは、特定行為研修センターや宮崎大学医学部内臨床技術トレーニングセンターのシミュレーターを用いて修得します。また、宮崎大学附属図書館医学分館を利用できます。
研修スケジュール
