【採択報告】令和8年度 AI for Science  萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD)に採択されました。

この度、当教室にて申請しておりました研究課題が、国立研究開発法人科学技術振興機構

(JST)の「令和8年度AI for Science 萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD)」に採択されました。

[研究課題名]

研究課題名:胸部X線写真における吸気位連動型心胸郭比補正AIモデルの概念実証

[臨床とデータサイエンスの融合]

私はこれまで、臨床医および研究者として、ヘルスケアデータと統計・AI手法を橋渡しする

「臨床データサイエンス」の領域で研究を行ってまいりました。臨床の現場で生じる

「心胸郭比(CTR)が呼吸相により変動し診断精度を低下させる」という切実な課題に対し、単なる

統計処理に留まらず、物理シミュレーションと深層学習を融合させることで解決を試みる本研究は、まさに臨床とデータサイエンスの融合によるイノベーションの試みです。

[研究の概要]

胸部X線検査におけるCTRの吸気位変動という課題を解決するため、立位CTデータを用いた物理シミュレーション(dDRR:動態仮想X線画像)を生成します。この仮想データを教師データとして活用し、胸部X線写真1枚から高精度に吸気位を推定するモデルを構築します。実臨床の制約をAI技術で補完し、診断の標準化を目指します。

[AI利活用の意義]

本研究の核となるのは、物理シミュレーションとAIの高度な連携です。実撮影で収集困難な教師データをAIで生成することで、従来手法では不可能だった診断指標の安定化を実現します。

このアプローチは、胸部領域のみならず、生体信号や動態の影響を強く受ける他の医用画像診断全般へ拡張可能な、汎用性の高いモデルになると確信しています。

[今後の展望]

本事業での研究を通じて、臨床知見を数理モデルに落とし込み、AIという強力なツールを実社会へ

実装するための知見を蓄積していきます。また、SPReADコミュニティを通じて、

他の研究分野の研究者とも知見を共有し、科学的発見を加速させるためのAI利活用プラットフォームの構築に貢献してまいる所存です。