研究内容

研究内容及び今後の展開

我々の教室ではいくつかのプロジェクトが進行しています。以下にその内容をお示しいたします。

1. 臨床的視点に立った臨床疫学の推進

臨床疫学は、疫学の原理と方法論を臨床医学に応用する学問分野です。個々の患者の診断・治療という臨床医学の視点と、集団における疾病の分布や決定要因を研究する疫学の視点を統合し、科学的根拠に基づいた医療(EBM)の基盤を提供します。

当研究室では、多様な疫学的手法を駆使し、臨床上の重要な課題に取り組んでいます。コホート研究や症例対照研究による疾病リスク因子の同定、ランダム化比較試験による治療効果の厳密な評価、診断テストの性能評価、予後予測モデルの構築など、質の高いエビデンスを創出しています。また、医療データベースを活用したリアルワールドエビデンスの創出や、因果推論手法の応用にも力を入れています。

私たちの研究成果は、診療ガイドラインの作成、医療政策の立案、臨床現場での意思決定支援に活用されています。厳密な疫学的手法に基づいた研究により、患者アウトカムの改善に貢献することを目指しています。

2. 分子疫学に基づくリスク因子の特定と因果関係の解明

分子疫学は、遺伝子多型やバイオマーカーなどの分子レベルの情報を疫学研究に取り入れ 疾患の発症や進展に関わる要因を明らかにする学問分野です。個人の遺伝的背景と、生活習慣や環境曝露といった外的要因を統合的に評価します。

当研究室では、遺伝要因と環境要因の相互作用に着目し、分子疫学的手法を用いた研究を推進しています。ゲノム解析による感受性遺伝子の同定、血液中のバイオマーカー測定を通じた曝露評価などにより、疾患発症リスクや進行機序の解明に取り組んでいます。

これらの研究成果は、疾病の高リスク群の特定、早期発見のための指標開発、さらには個々の遺伝的特性に応じた医療の実現に活用されます。分子レベルの知見と疫学的手法を融合させることで、疾患の本質的理解を深め、より効果的な予防・診断・治療の確立に貢献することを目指しています。