ごあいさつ

宮崎大学医学部附属病院感染制御部部長 髙城 一郎

当院は、1977年に開設された地上7階の建物に総病床数632床を有する宮崎県内唯一の医育機関および特定機能病院です。2002年に感染制御チームが組織化され、2011年に感染制御部(Center for Infection Control:CIC)が設置され、岡山昭彦が初代部長に就任されました。2021年4月より私が二代目の感染制御部部長を拝命いたしました。これまでにも様々な危機があり、その都度チーム一丸となって対応し乗り越えてきましたが、2020年からは最も強靭な敵COVID-19と闘っています。世界全体が猛威に晒されていますが、宮崎もその渦中にあり当院もその影響を大きく受けています。現在も院内の各診療科や部署と連携して感染対策を講じ、終わりのみえない状況のなか、この大きな困難を乗り越えようと病院全体で取り組んでいるところです。

CICは医師3名、看護師2名、薬剤師2名、臨床検査技師1名、事務1名によって構成されています。ICTとして病院全体で取り組むべきマニュアルの作成、日常の感染症サーベイランス、院内ラウンド、アウトブレイクの兆候の発見・働きかけ、感染対策に関する教育・研究活動等を通して、本院の感染対策の実働部隊として、各診療科や部門の感染対策活動の支援、指導などを行っています。また、ASTとして抗菌薬適正使用の推進をはかるため、血液培養陽性患者、広域抗菌薬使用患者、免疫不全患者などの状況を確認するとともに、多くの診療科からコンサルテーションを受けて共同診療、診療支援に取り組んでいます。

当院は理念として、「診療、教育、研究を通して社会に貢献します」を掲げています。今後も若手の感染症専門医の育成、また保健所、医師会、関係医療機関と協力しながら、地域の医療施設の感染対策の推進にも貢献したいと考えております。皆様のご支援、ご指導、ご協力をよろしくお願いいたします。