宮崎大学医学部ロゴマーク宮崎大学医学部内科学講座 消化器内科学分野 宮崎大学医学部ロゴマーク宮崎大学医学部内科学講座 消化器内科学分野

   

大園先生、田村先生、河上教授の論文がGastrointestinal DisordersにAcceptされました!!

研究・業績紹介

Brief Report
Elevated Plasma Adrenomedullin Levels in Patients with Unresectable Advanced Gastrointestinal Cancers
Yoshinori Ozono, Hotaka Tamura, Kazuo Kitamura, Ayumu Hosokawa, Yukiko Otsuki, Hiroshi Hatada, Naomi Uchiyama, Satoshi Shimamoto, Koji Igarashi and Hiroshi Kawakami

大園先生
この度、Gastrointestinal Disordersに臨床論文がacceptされました。健常人と切除不能消化器癌の患者さんの血液中のアドレノメデュリン濃度を測定したところ、癌患者さんの方で有意に血中濃度が高いという結果が得られました。このため、消化器癌においてアドレノメデュリンが治療効果や予後予測などのバイオマーカーとして有用かどうかを検証する前向き試験につながり得るものと考えます。アドレノメデュリンの測定をしていただいた北村教授ならびに東ソー株式会社様に感謝申し上げます。

田村先生
今回、大園先生をはじめとする先生方との共同研究に携わり、論文を投稿させていただきました。臨床と基礎の橋渡し研究の報告は初めての経験でした。
探索的な研究であり、症例数が限られている点について、査読の過程でも繰り返し議論となりましたが、その一例一例は、私たちを信頼し、また研究に期待してご協力くださった患者さんですので、アクセプトの連絡が来たときには、喜びよりも安堵の気持ちが大きかったです。
アドレノメジュリンは、宮崎大学の北村和雄前教授らによって発見された生理活性ペプチドで、循環器系に作用する物質として報告されました。その後、炎症性腸疾患や悪性腫瘍をはじめ、さまざまな疾患との関連について研究が進められています。河上教授が宮崎に赴任される以前から研究に携わってこられた物質でもあり、当科にとっても非常に縁の深い研究テーマです。
私自身、宮崎を生活の場として選び、がん診療に携わることとなり、アドレノメジュリンの研究に関わる機会をいただいたことに、ご縁を感じており、今後も携わっていきたいと考えています。本研究をご指導いただいた大園先生、河上教授、北村教授をはじめ、研究にご尽力いただいた共同著者の先生方、研究を支えてくださった皆様に深く御礼申し上げます。

河上先生
この度、Adrenomedullin(AM)の研究が結実しました。AMは多彩な生理活性を有するペプチドであり、主に血管拡張による強力な降圧作用が知られています。この他にも臓器保護や組織再生、抗炎症作用などの作用が報告されています。また、AMの受容体に結合する受容体活性調節タンパクのRAMP2とRAMP3により制御されています。癌との関連研究は決して多くはありませんが、私自身、20年以上前にAM anatagonistペプチドを2種類作成し、腫瘍内注入するin vivo実験により膵癌の退縮が得られたことを明らかにして学位を取得しています。これ以降、信州大学からAM-RAMP2系は血管恒常性を維持することで転移を抑制し、AM-RAMP3系が癌関連線維芽細胞の悪性度を増悪させ、転移を促進するといったことが報告されています。近年では癌関連研究の発展はみられていませんが、常々いつかはAM関連研究を発展させたいと考えていましたので、今回の結果は大変嬉しいです。今後は、膵癌などの難治癌に対して臨床検体を用いたさらなる研究を発展させていきたいと考えています。