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内山尚美先生の論文がDiagnosticsにAcceptされました!

研究・業績紹介

Title: Optimal Number of Needle Punctures in EUS-FNA/B with ROSE for Solid Pancreatic Lesions

Author: Naomi Uchiyama, Hiroshi Kawakami, Yoshinori Ozono, Hiroshi Hatada, Soichiro Ogawa, Satoshi Sekiguchi, Hiroshi Noguchi and Yuichiro Sato

 膵充実性腫瘍に対するEUS-FNA/Bにおける適正な穿刺回数に関して,論文を作成したので報告させていただきます.
 膵充実性腫瘍の診断にあたり,EUS-FNA/Bはいまや一般的な検査・処置となっていますが,適正な穿刺回数に関してはコンセンサスが得られていないのが現状です.また,迅速細胞診の併施が可能か否かも施設間で差があります.今回,われわれはEUS-FNA/B施行時に迅速細胞診を全例に行ったうえで,適正な穿刺回数に関する検討を行いました.

 穿刺回数を増やすことで検体採取率や正診率は上がることが予想されます.累積検体採取率,累積正診率を確認することで,EUS-FNA/Bにおける適正な穿刺回数を検討する方針としました.累積検体採取率,累積正診率は,検体採取が可能であった回数,正診が得られた回数以降はいずれも検体採取可能,正診としてカウントしました.具体的には,1回目の穿刺で腺癌の診断がつき,2回目の穿刺では異型細胞 or 組織の診断となった場合も累積正診率は2回目以降も正診としました.3回目以降で初めて正診となった場合は,1~2回目は非正診と定義して,3回目以降は結果に関わらず正診としました.そうすることで,累積正診率を求め,穿刺回数毎の正診率を明らかにできると考えました.累積検体採取率は,初回から95%以上と高い結果が得られており,穿刺回数を増やすことによる上乗せ効果は認められませんでした.累積正診率は,細胞診においては1回目と2回目の穿刺間で有意差を認めたものの,2回目と3回目では有意差はなく,組織診では2回目と3回目の穿刺間で有意差を認めたものの3回目と4回目では有意差が認められなかったことから,細胞診では2回,組織診では3回の穿刺を行うことが有用であると結論づけました.
 同内容は過去に学会発表しており,結論は分かっていたものの,いざ論文化しようとすると色々と苦労した点がありました.論文作成にあたる苦労や今後の課題に関しても述べていきたいと思います.「消化器内科 論文 impact factor」で検索をかけていただくと,多数の消化器内科関連の論文があることを確認いただけるかと思います.幸い,教授から適切な投稿先の候補を選定してもらったため,無事に投稿できましたが,自分で選定しなければならないとなるとそもそも投稿先を決める段階でどうして良いのか迷子になってしまっていたかと思います.投稿後,major revisionの返事が返ってきた後も,修正期間が10日間以内に設定されていたり(結局は2ヵ月に延長してもらいましたが),再投稿時にgraphical abstractの添付が求められていたのにも関わらず,添付せずに再投稿してしまったりと色々とすったもんだあった末に採用してもらったので,感動もひとしおでした.論文作成から提出にいたるまで,英語が使いこなせないとこんなにも苦労するのかと痛感した一方で,文明が発達した時代に生まれてよかったと感謝もしました.
 論文作成から,修正,再投稿にいたるまで,河上教授や大園先生が何度何度も確認してくださり,統計処理にいたっては両人に加えて関口先生にも対応していただき,病理診断科の佐藤先生や野口技師長にあらためて細胞や病理組織を見直していただきました.他にもたくさんの皆様の多大なお力添えのうえでなんとか形になりました.今後の臨床や学術活動で少しでも恩返しできるよう精進していく所存です. 

 胆膵疾患においては,組織診断やドレナージ方法など,検討すべき課題も多く残されています.臨床において疑問に思う姿勢を忘れないことは重要です.教授にも常々指導を受けていますが,そのために論文をチェックし続けること,学会や研究会やWebセミナーに積極的に参加して最新の知見を得ること,今後も継続的に論文作成を継続することを心がけていきたいと思います.

内山 尚美