医学生/研修医/入局希望者向け Q & A #14 「抗癌剤治療のやりがいと大変だと思うことを教えてください」
医局員ブログ
Answer
抗癌剤治療(=化学療法)には根治を目指した周術期(術前/術後)化学療法と切除不能進行癌に対する緩和化学療法があります。どちらも大切ですが、腫瘍内科医としては、後者が中心的な仕事になります 。
医学は日々進歩していますが、今現在は、進行してしまった消化器癌を抗癌剤治療で治すことは難しい時代です。心が折れてしまいそうな状況で、薬の副作用と戦いながら、毎週病院に通院治療されている患者さんとご家族を見て、いつも我々が励まされるばかりです。様々な思いを持ちながら、1日1日を大切に生活しておられる患者さんとご家族の期待に応えたいという気持ちが、我々の原動力でありやりがいです。
患者さん、ご家族、そして我々にとって最も辛い瞬間は、頑張ったことに対して、それに見合うだけの結果が伴わなかったときです。自分の無力さ、医学の限界を痛感します。それでも、どんな結果に対しても、最後まで今できる最善の医療をご提案し続けること、それと同時に、いつしか進行した消化器癌が治せる時代が来るように、宮崎から医学研究に参加することが我々の役割であると考えています。
執筆 消化器内科医師(宮崎大学医学部 2018年卒)