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医学生/研修医/入局希望者向け Q & A #11-② 「消化器内視鏡はどのように修練を積んでいくものなのですか?(後編:治療内視鏡)」

医局員ブログ

Answer

(前編:スクリーニング内視鏡から続き)

スクリーニング内視鏡が安定して遂行できるようになったら、次の段階は内視鏡的ポリープ切除術です。サイズ、局在、形態によって難易度が大きく変化しますので、小さくて安全性の高い症例から取り組みます。これまで観察のみだった内視鏡から、自分の手で治療を行うことができるようになるのは大きな喜びがあります。順次、大きいサイズのポリープ切除や、同じポリープ切除でもより安全かつ必要十分に切除できるよう、技術を磨きます。模型での練習や参考動画視聴、上級医の見学が欠かせません。ポリープ切除後の創縫合や出血に対する対処を通して、クリッピングや凝固止血術の技術を習得します。

ここまでが、一般消化器内科医として求められる、最低限の内視鏡技術と考えます。質を高めようとすれば青天井ですが、入局後3-5年の間で、これらを一定のレベルで完遂できるようになることが、入局後の当面の目標になります。なお、消化管出血に対する止血術に関しては、難易度が非常に高いものから、比較的容易なものまで幅があり、上記の修練の中で、総合力を高めていくことが求められます。

一般的な内視鏡技術を習熟した上で、もう一段上を目指したい先生には、内視鏡的粘膜下層剥離術、LECS(腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除術)、側視鏡によるERCP、超音波内視鏡検査・処置、消化管ステント留置術、また、肝臓グループでは内視鏡的静脈瘤硬化療法・結紮術といった、より高度な治療内視鏡の道が続いています。エキスパートの指導を仰ぎながら、若手医師は日々、自己研鑽に励んでいます。

執筆 消化器内科 医師(宮崎大学 2018年卒)