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医学生/研修医/入局希望者向け Q & A #8 「 宮崎大学消化器内科のワーク-ライフバランスについて教えてください」

医局員ブログ

Answer ① (男性医師より)

前提として、ワーク-ライフバランスは個人個人で考え方は異なるものだと思います。年齢や医師経験年数、家庭状況、健康状態、など様々な要因も考慮しつつ、持続可能な働き方、バランスを見出していく必要があると考えます。
昨今、働き方改革の推進もあり、医療現場も改革がまさに進んでいるところです。現状では人員不足などの問題もあり、ワーク-ライフバランスについて十分配慮されているかというと、残念ながらまだ理想的とは言えないと感じています。
私の現状をお伝えします。執筆時35歳、医師10年目、既婚、子ありという状況です。共働きではないのである程度仕事にも注力できる状況ですが、まだ子供も幼く育児に手がかかるため、育児を含め家庭の時間を極力生み出す努力をしています。仕事をスムーズに進めていくという点では私自身の努力ももちろんありますが、病棟主治医や医学生教育関係の仕事を外してもらうなど、医局からの配慮もしていただきました。
当科の取り組みや雰囲気をお伝えしようと思います。当科の診療内容は、外来診療、入院診療、内視鏡やエコーなどの検査、内視鏡治療などの手技もあり、忙しい診療科の部類に入ると思います。外来診療は主に中堅以上の医師が、入院診療は若手医師と中堅以上の医師がともに担当する形となっています。入院診療については、完璧とは言えませんがグループ診療に近い形にはなっており、外勤や休暇などで不在時も、皆で助け合いながら診療しています。人は少ないのですが、その分皆で協力する雰囲気はできており、休みをとることも問題ないと感じています。女性医師も多いですが、非常勤、時短勤務、内視鏡検査のみの勤務など、勤務形態や内容も様々で、個人に合わせた働き方を実現できるよう工夫されています。また、大学病院は臨床だけではなく教育や研究にも力を入れる場所です。しかし、どうしてもマンパワーが足りず臨床が忙しい現状はあり、研究に専念できるほどの余裕はないと感じています。正直なところ研究も頑張りたいのであれば、なんらかの時間を削るなど犠牲は伴うと思います。ただし、負担が大きくなり潰れてしまっては元も子もないので、無理ない範囲でやるしかありませんし、もちろん無理強いはありません。研究の時間捻出などについては、当科の一番の課題かもしれません。
問題も多くあるのが現状ですが、問題点の把握はできており、対策をしようという意識の改革はできていると思います。現在の若手医師が育つ頃にはさらに環境は良くなるものと思いますし、仲間がさらに増えれば、もっと理想的な職場に近づいていくものと信じています。

執筆 消化器内科 医師 (宮崎大学 / 2014年卒)

Answer ② (女性医師より)

ワークライフバランスについては、各個人により意見が様々だと思います。家庭優先で働きたい人、仕事にとことん取り組みたい人、趣味の時間も持ちながら働きたい人など…。また周りの環境にもよると思います。そのため、その都度試行錯誤しながら仕事と家庭のバランスをとっていく、というのが実情ではないでしょうか。
私は卒後15年目で、小学生と幼稚園児の2人の子供がいます。正直入局前は結婚や出産について考えることはあっても、あまり現実味がないものでした。ただ結婚しても仕事は続けたいな、という希望はありましたが、どの程度働きたいかなどもはっきり言ってわかりませんでした。そんな私も卒後7年目に結婚し、丸3年間の休職ののち、長男が2歳、次男が6カ月の時に復帰しました。最初は週に2回、内視鏡やエコー検査などの検査業務から始めました。そののち週1回の外来を開始し、昨年4月からは週に4日大学で病棟・検査業務を、1日は関連病院で外来を行うという風に数年かけて徐々に仕事内容を増やしていきました。私の場合、子供の成長や自分の生活サイクルがある程度定まってくるのに合わせ仕事量を増やしていったので、負担が大きくならなかったのがよかったです。仕事を増やす際にもその都度上司に相談しながら進めていき、そのうち検査だけでなく病棟業務も担当したいと思うようになりました。ただ子供の発熱などで急に休むことも多いのでどうしようと躊躇しましたが、もしもの時は気兼ねなく休ませてもらえる環境にしていただけて、安心して担当することにしました。私と同様、家事育児をしながら仕事をしている仲間が消化器内科にはいますので、時には愚痴を言ったり、お互いをねぎらいながら仕事に励むことができるのも大きいです。
以上は家事育児をしながらも仕事を継続したい、と思ったあくまで私の場合の話です。ただいくら自分がこういうワークライフバランスにしたいと思っても、周りの理解が得られないと難しいのも現実。消化器内科に入局して、自分の希望や困ったことを遠慮せずに相談でき、かつ仕事を継続できるようにサポートしてもらえる環境で本当に良かったと思います。そして、今後は後輩たちの希望が叶えられるように、私にできることはサポートできたらと思っています。

執筆 消化器内科 医師 (宮崎大学 / 2010年卒)