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医学生/研修医/入局希望者向け Q & A #4 「専攻を内科と外科で迷っています。」

医局員ブログ

Answer

学生さんや研修医の先生から「診療科はまだ決めていないけど手技がある科にいきたい」という声をよく耳にします。手技の有無で考えると、外科はもちろんですが、内科でも、例えば消化器内科は内視鏡、循環器内科であれば心臓カテーテル、腎臓内科であればシャント造設などと、業務の多くを占める処置・手術があります。それぞれの特性を自分の目で見て、そしてできれば少しでも携わって、一生の仕事にできそうな科を選んでもらえたらなと思います。

外科と内科の違いを敢えて挙げるとすると、内科の処置は基本的に低侵襲・短時間です。そして、それをするために、疾患の予防や早期発見に同時に取り組むという考え方が根底にあります。がん診療で例を挙げると、消化器内科の大きな役目の一つは、スクリーニング内視鏡検査で早期に癌を診断して、内視鏡治療を行うことです。そのために、早期診断の知識と内視鏡治療のための技術を日々学んでいます。一方、内視鏡治療で根治が難しい病期での診断となることもありますから、その場合は術前診断をして外科に手術の依頼をします。必要に応じて術前の内視鏡検査や処置を担います。そして、もう一つの役目は、切除不能な場合や術後再発に対して、抗癌剤の治療や緩和的な内視鏡処置を用いて、最大限の延命とQOLを維持することです。

私も外科の研修が非常に有意義で雰囲気も大好きだったので、最後まで内科と外科の選択で迷ったのですが、最終的には、根治を目指して手術を受けたものの、結果的に再発してしまった患者さんの姿に心が引かれて、使命感のようなものを感じました。その結果、消化器内科に入局しました。現在も当時お世話になった外科の先生との関係は続いており、診療科は異なりますが、また一緒にお仕事ができることを嬉しく感じています。
これまで経験した症例を振り返って、どのような時に自分の心が動いたかというのをベースに、自分の特性やライフプランと照らし合わせて考えてみるとよいかもしれません。

執筆 消化器内科 7年目医師(宮崎大学医学部卒)