医学科6年 S.I
今回、ソンクラ大学のクリニカル・クラークシップに参加させて頂いて、貴重な経験をさせて頂きました。最も印象に残っているのは、タイと日本の医学教育の違いを体験できたことです。特に、最後の一週間に訪れた、地域の診療所での医師達の姿です。その診療所では、GP(General Practitioner:総合診察医)とよばれる医師達が、地域の患者の診療の中心を担っており、一人の医師が内科的疾患から、外科、産科など、あらゆる疾患を診ていました。
近年、日本でも家庭医の重要性が、叫ばれています。日本ではGP制を取り入れていないために、プライマリーケアにおいて患者が自分で診療科を選び診察してもらっています。そこにGPがいたなら、専門の診療科に見せるべきか、GPレベルで治療できる範囲なのかの判断をつけることができます。タイでのクリニカル・クラークシップを終えて、プライマリーケアにおいては、GPが地域に果たす役割は大きいことを実感しました。
日本では、医師過剰と言われる一方で、過疎地域での医師不足は今もなお深刻です。この制度を取り入れ、家庭医としての専門家であるGPを育成していけば、都市部、過疎地域に関係なく、プライマリーケアにおいて医療の充実を図ることができる、一つの手がかりになるのではないかと考えます。
このような、体験をさせて頂き、ありがとうございました。また、これから後輩の一人でも多くが、海外の医学制度を体験して、今後に生かしていくことを願っています。
|