「異分野融合研究シンポジウム」を開催して

学 長  松 尾 壽 之 


 宮崎医大は、いま、宮崎大学3学部との統合によって、新しい大学を造り上げたいと懸命に努力しています。そんな所に、高井義美(阪大 教授)からこんな手紙が舞い込んできました。

[高井先生からの手紙 2003/1/21]
 昨年来、文部科学省ライフサイエンス委員会・萌芽研究等新領域創生・先端技術開発領域小委員会において、生命科学・工学・情報科学などの異分野の研究者が共同作業を行い、萌芽・融合領域を創生・発展させる必要性について提言し、研究組織立ち上げのためのfeasibility studyを行ってきました。その一環として、異分野研究者が一堂に会し、異分野融合研究についての諸問題を自由に論議したいと思い、異分野融合研究の草分けである宮崎の地でシンポジウムを企画しました。(以下省略)

 新しい生命科学の創生をキーワードに、医学系大学院修士課程の増設、フロンティア科学実験総合センターの設置、21世紀COEプログラムの推進、基礎と臨床のあり方の検討など、新しい生命科学の創造を目指し、模索しているわれわれにとって、大変タイムリーな企画と考え、このシンポジウムの協賛を喜んでお引き受けしました。次頁に掲げたプログラムに見られるように、生命科学領域における、わが国でのトップランナーたちの豪華な顔ぶれによる自由な発想と鋭い洞察に満ちた講演は、若い聴衆たちに、想像以上のインパクトを与えてくれたと思います。
 シンポジウム終了後の、パーティでも、スピーカーを囲んで遅くまで熱心な話が弾みました。これからもこんな集まりを持ちたいものだと強く思っています。近い将来、スピーカーの中に混じって、宮崎からのオリジナルな情報発信がされることを願っています。
 このシンポジウム開催にあたって、大阪大学高井研究室の皆さんならびに本学庶務課研究協力係の方たちのご尽力に感謝します。


高井先生(左側)と松尾学長


異分野融合研究についてのシンポジウム
−新しい生命科学の創生を目指して−


主 催:文部科学省・ 21世紀型革新的先端ライフサイエンス技術開発プロジェクト・
萌芽・融合研究開発プログラム 委員長 高井義美

協 賛:宮崎医科大学
日 時:平成15年2月24日(月):8:50〜17:10
場 所:宮崎医科大学 臨床講義室205号

 8:50〜9:00 開会の挨拶 委員長 高井義美

Session I   座長:清野 進(千葉大学大学院医学研究院 細胞分子医学)
 9:00〜 9:40 高井義美(大阪大学大学院医学系研究科 生化学・分子生物学)
 おもしろくないことから始めるサイエンス
 9:40〜10:20 竹縄忠臣(東京大学医科学研究所 細胞生物化学)
 蛋白質から脂質、そしてその相互作用の研究

Session II   座長:寒川賢治(国立循環器病センター研究所 生化学)
 10:40〜11:20 倉智嘉久(大阪大学大学院医学系研究科 情報薬理学)
 わたしの心臓生理学:思いもしなかった基礎医学研究
 11:20〜12:00 北 徹(京都大学大学院医学研究科 第三内科)
 研究生活での出会い−沼、中西、Brown、Goldstein先生

Session III   座長:高井義美
 13:00〜14:00 特別講演:松尾壽之(宮崎医科大学 学長)
 私が歩いたホルモン研究の道
 14:00〜14:40 藤吉好則(京都大学大学院理学研究科 生物物理学)
 異分野から始めた遠回りの悪戦苦闘

Session IV   座長:倉智嘉久
 15:00〜15:40 清野 進
 糖尿病研究−米国で学んだ基礎学問の喜び
 15:40〜16:20 寒川賢治
 ペプチド探索からトランスレーショナル リサーチ
 −宮崎での15年間に学んだこと−
 16:20〜17:00 松澤祐次(大阪大学大学院医学系研究科 分子制御内科学)
 生活習慣病とアディポサイエンス
 17:00〜17:10 閉会の挨拶 高井義美



目 次  次へ進む  前へ戻る