大学院修了生謝辞


 木々が芽吹き大地に春の匂いが漂うきょうのよき日に、このような盛大な学位記授与式をひらいていただきまことにありがとうございました。
 私は5年間の臨床研修ののち、大学院へ入学させていただきました。先生がたおよび諸先輩がたにならい、見様見真似で実験を行い、思いがけなくうまく結果がでることもありましたが、試行錯誤して工夫したつもりでも何度やっても思わしい結果がだせないことも多々ありました。うまくいかないときは、「どんな人がやってもややいい加減にやっても明白な結果がでるものこそ本当のことだ」といわれる先生の言葉が慰めになりました。
 当初は自分に与えられた課題の意義を充分理解していなかったきらいがありました。しかし、諸先輩がたが行われた過去の仕事を見直すことで、この積み重ねから今の自分の仕事があることが再認識され目から鱗が落ちるような思いをすることが、特に大学院修了に近づくにつれ多くなった気がします。
 実験の結果を出すことに追われて疲れている時期もありました。そのようなときにも少し考える余裕を自分で作れていれば、もっと違った展開の実験もできたのではないかという心残りもあります。
 しかしながら、得られた結果によって国内国外における学会発表を行う機会に恵まれ、各研究者とデイスカッションできたことは貴重な経験となりました。四年間で学んだ多角的なものの考え方は今後の臨床にも生かせるものと思います。
 最後になりましたが、指導していただいた諸先生がた、研究室のかたがた、各実験施設にてお世話になったかたがたに深くお礼申し上げます。これからも、皆さまにはご指導ご鞭撻をたまわりますようお願い申し上げまして感謝の言葉といたします。


                                     平成15年3月20日

                                           大学院修了生代表  上 村 智 彦 

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