宮崎大学医学部泌尿器科学講座 
後期臨床研修プログラム

I.研修の要点

泌尿器科領域の医療、福祉に関する問題について社会のニーズに対応し、専門医として医の倫理に基づく診療を適切に実施し、境界領域の疾患の処置についても正確に対応できる能力を養い、患者及び家族との正しい人間関係も理解できる心暖かな医師を育てることを基本とする。


1.泌尿器科領域の外来患者を以下の諸点に留意して適切に実施する能力を養う。
・適切な問診が取れる能力、患者心理を理解する能力
・外来での、必要にして十分な検査を選び出す能力
・問診、症状、所見による診断並びに鑑別診断を行う能力
・疾患の内容、程度を把握し、適切な専門的外来治療を行う能力
・他の医療従事者と協力して社会復帰のため問題を解決する能力
・救急疾患、外来診療に伴う偶発症に対する診断能力、処理能力


2.主治医として、泌尿器科領域の基本的臨床能力を持ち、入院患者に対して全身、局所管理が適切に行える。


3.泌尿器科領域の基本的手術に関する意義、原理を理解し、適応を決め、手術手技を収得し、手術後の管理ができる。


4.緊急事態に際し、状況を完全に把握し、適切に対処することができる。

2.基幹施設

宮崎大学医学部付属病院泌尿器科
協力施設(住所)
宮崎県立宮崎病院(宮崎市)
宮崎県立延岡病院(延岡市)
宮崎県立日南病院(日南市)
財団法人弘潤会野崎東病院(宮崎市)
社団法人八日会藤元早鈴病院(都城市)
健腎会おがわクリニック(延岡市)
医療法人真栄会新村病院(鹿児島市)
医療法人原三信病院(福岡市)

3.管理運営

医局会において研修計画および研修状況を随時チェックし、各医師についての研修実績が平均化するよう努めている。また年に数回、泌尿器科のスタッフと各協力病院の指導医との会合を持ち、臨床研修について意見交換を行う。

4.定員および選考方法

定員は特に定めてない。希望があれば受け入れることを原則とする。

5.教育課程

1.当初1年の研修

宮崎医科大学医学部付属病院泌尿器科において研修を受ける。最初は、入院患者4~5名を指導医(助手クラス医師)とともに受持ち、病歴を作成し、診療を行い、毎日経過を観察する。その間、各種検査法を学び、手術を介助し、術前、術後の管理を習得する。やがて能力の上昇に応じて、入院患者を独立 して受け持つようにする。研修が進むとともに、疾患も単純なものから複雑な病態のものを多く対象とする。

・研修中に対象とする主な疾患
先天性腎盂尿管移行部通過障害、膀胱尿管逆流、腎結石、尿管結石、腎実質腫瘍、腎盂腫瘍、尿管腫瘍、膀胱腫瘍、前立腺肥大症、前立腺癌、精巣腫瘍、神経因性膀胱、停留精巣、尿路感染症、腎不全、男子不妊症
・診断法についての研修項目
尿検査、精液検査、腎クリアランス、尿流動態検査(膀胱内圧測定、尿流測定、ビデオウロダナミッミスなど)、膀胱鏡検査、尿管カテーテル法、排泄性尿路造影、逆行性尿路造影、精管精嚢腺造影、腹部並びに経直腸的及び経尿道的超音波画像診断、前立腺針生検
・治療法に関する研修項目
消毒法、局所麻酔法、仙骨麻酔法、輸液、輸血、一般薬物療法、悪性腫瘍化学療法、尿道拡張術、陰嚢内疾患手術、陰茎小手術、膀胱瘻術、膀胱切開術、その他の手術については、助手を勤める。


2.1年経過後の研修

基本的には宮崎大学付属病院泌尿器科において研修を継続する。しかし、大学病院の特殊性から学内研修の中で泌尿器科領域の多岐に渡る疾患をすべて経験することは困難であるため、希望者は研修協力病院にての研修も可能である。研修が進むとともに、入院患者を独立して受け持つ。外来患者も指導医の指導のもと単純な疾患のものを受け持ち、将来独立して外来診療に携わる準備をする。各種検査はできる限り独立して行えるよう研修する。指導医の指導のもと、小手術の術者としての研修をすすめるとともに、内視鏡的に対する知識を深め、独立して独立して手術ができるための準備を行う。尿路結石に対し、体外衝撃波(ESWL)治療の機械操作を会得し独立して治療を行えるように研修する。


3.大学病院(泌尿器科)における研修スケジュール

(1)週間スケジュール


月曜日 輪読会
外来研修(再来、尿失禁・神経因性膀胱外来)、
尿路造影検査、超音波検査(前立腺外来)
火曜日 外来研修(新患)
水曜日 手術、外来研修(特殊外来)、輪読会
木曜日 外来研修(新患) 回診、手術・症例カンファレンス、
抄読会、リサーチカンファレンス
金曜日 手術、外来研修(再来)、輪読会

なお曜日にかかわらず病棟研修を行う。


(2)学会活動
研修期間中は下記の学会に、積極的に参加し、これらの学会において年1~2回は学会発表を行う。さらに、学会発表を行った内容については、後日論文作成を行う。また、学会に合わせて行われる卒後教育プログラムに出席する。
・日本泌尿器科学会総会 年1回
・ 〃 西日本総会  年1回
・ 〃 宮崎地方会  年1回
・ 〃 福岡地方会  年2回
・ 〃 佐賀地方会  年1回
・九州泌尿器科連合地方会  年2回
・宮崎県泌尿器科医会懇話会 年6回

(3)指導体制
研修医1人に指導医(助手)1人がつきman to manで指導を行う。さらに高度の医学的判断や専門的検査に関しては上級指導医(講師)が指導を行う。また、研修医の指導状況に関しては外来診療については外来医長、病棟診療については病棟医長が監督、助言を行う。研修指定病院での研修では指導医(常勤医またはローテーター)と上級指導医(部長または医長)が研修指導を行う。

6.評価方法

科長、副科長、上級指導医、指導医、病棟医長、外来医長により逐次評価を受ける。

7.待遇

附属病院勤務の場合は医員待遇(宮崎大学医学部非常勤医師)となります。外勤も可能で経済的生活は十分に保障されています。関連病院勤務時は、その病院の給与体系に基づいた給与が支給されます(詳細は電話かmailでお答えします)


1.初期研修を2年以上終了した方で当教室に入局を希望される方へ

泌尿器科での後期研修について上記のように説明しました。しかし、初期研修後の人生に敷かれたレールのような画一的なコースはありません。すべて皆さんの自由ですし、医師としてのキャリアーの開発には多様性も必要と思います。その意味で、泌尿器科以外の診療科で活躍された後に当科へ転向される方も大歓迎です。泌尿器科はこれからの高齢者社会では需要は大きく、当科も優秀な人材を募集中です。他科でのご経験を泌尿器科に生かして頂けると幸いです。


2.泌尿器科に関心・興味を抱いている研修医の方へ

一度、我が泌尿器科教室を見学に来てください。
忙しくて宮崎まで来られそうにない場合には、メールでの連絡だけでも結構です。
個別に説明会も開催いたします。連絡をお待ちしております。
泌尿器科への入局はいつでも可能です。
医局長(髙森)まで御連絡下さい。
お問い合わせやご質問等がございましたら、下記のTEL,FAXあるいはEmailで遠慮なくご連絡ください。
なお医学部学生の見学も歓迎しています。特に夏期休暇期間などを利用して当科を見学したい場合も下記までご連絡下さい。

8.連絡先

宮崎大学医学部泌尿器科 医局長 鬼塚 千衣(オニヅカ チエ)
TEL:0985-85-2968  FAX:0985-85-6958
E-mail:urology@med.miyazaki-u.ac.jp