教授紹介
宮崎大学医学部外科学講座
泌尿器科学 教授
賀本 敏行
(かもと としゆき)
ご挨拶
宮崎大学泌尿器科学教室を担当しております賀本(かもと)です。当科のホームページにアクセスいただきありがとうございます。
当教室は、宮崎医科大学の開設にともない昭和52年に石澤靖之教授によって開講されました。昭和63年からは長田幸夫教授が主宰され、宮崎県内外の泌尿器科の発展に尽力され、平成21年(2009年)5月から私が3代目として担当させていただいており、まもなく10年になろうとしています。この間、泌尿器科臨床におきましては、泌尿器腫瘍・小児泌尿器科・排尿障害などを中心に力を注いでまいりましたし、生体腎移植を標準的に施行できるようにもなりました。
泌尿器科領域のがんである腎臓がん、膀胱(尿路上皮)がん、前立腺がん、精巣がんについては、常に県内関連施設との連携を欠かさず、患者さんに最も適切な治療を選択すべく努力しています。現在では低侵襲手術として確立されている腹腔鏡手術は、特に当科で最も力をいれているものの一つですが、患者さんの状態に応じて開放手術と併用するなど、安全性を最も重視しその利点を最大限に発揮できるように留意しています。現時点ではダ・ビンチとして知られているロボット支援手術は導入しておりませんが、3次元内視鏡は完備しており、全ての手術で使用しています。また、本邦でも年々使用できる薬物が増えてきている泌尿器がんに対する化学療法や分子標的治療などの薬物療法の経験も豊富で、患者さんの病態に応じた治療選択を心がけています。
宮崎県唯一の医学部を持つ大学として、県民に高度医療を提供することが使命の一つです。そのために医学部学生に対する教育はもちろん、泌尿器科専門医の育成は当科の重要な使命の一つです。平成30年度からは本格的に新専門医制度がスタートしますが、「宮崎大学泌尿器科専門研修プログラム」として県内8施設と連携した充実した養成プログラムを準備しています。人間性豊かな医療人が一人でも多く育つことにより、医療を取り巻く厳しい環境も克服することができ、何より患者さんに満足いただける医療が実践できます。
「当たり前のことが当たり前にできる」医師を数多く育てることをモットーとし、2009年から仲間に加わってくれた先生、なかでも多くの女性医師が入局してくださいましたが、皆さん着実に実力をつけ、逞しく日々の診療にあたってくれています。
また、当教室では人事交流にも力をいれています。私の出身大学である京都大学泌尿器科との大学間交流にくわえ、札幌医科大学泌尿器科との交流も開始しています。他施設の方針や手技にふれることで、医療者としての経験値、幅が広がるものと期待しています。
宮崎は本当に良いところです、興味のある医学生、宮崎大学卒業生はもちろん、宮崎にゆかりのある、また興味のある先生は、年齢は問いませんので、是非一度見学にきてください。
最後に宮崎県全体における泌尿器科診療の地域連携につきましては、宮崎県泌尿器科医会の先生がたの全面的なご協力により、宮崎県泌尿器科医療連携(Miyazaki Urological Network: MiU-Net)を立ち上げ、大変良好な地域医療連携が構築できていると自負しております。この連携をさらに密にして、宮崎県内どこにお住まいの患者さんにでも最適な医療をうけていただけるようなネットワークをさらに充実させていきたいと考えています。住みやすく人に優しい宮崎で、その県民の皆さんが安心して生活できる医療を提供できるようこれからも教室員一同努力してまいる所存です。どうぞよろしくお願いいたします。(平成29年9月)
経歴
1961年 | 大阪生まれ |
---|---|
1980年 | 鹿児島ラ・サール学園高等学校 卒業 |
1987年 | 京都大学医学部卒業 |
京都大学医学部附属病院 泌尿器科 研修医 | |
1988年 | 滋賀県立成人病センター 泌尿器科 医員 |
1995年 | 京都大学大学院医学研究科 病態生物医学(第一病理学教室) 助手 |
1997年 | 京都大学医学部附属病院 泌尿器科 助手 |
2001年 | 京都大学大学院医学研究科 泌尿器科学 講師 |
2003年 | 同 助教授 |
2007年 | 同 准教授 |
2009年 | 宮崎大学医学部外科学講座泌尿器科学 教授 |
2024年 | 宮崎大学医学部附属病院 病院長就任 |
高校・大学時代はラグビー部に所属。野球は阪神タイガースファン。