宮崎大学医学部 リハビリテーション科

ごあいさつ

科長挨拶

facilities-img0111

 令和3年9月1日付で、宮崎大学医学部附属病院リハビリテーション部教授、リハビリテーション科診療科長を拝命致しました荒川英樹と申します。私は平成10年に産業医科大学リハビリテーション医学教室に入局し臨床医として研鑽を積んだ後、平成17年からは和歌山県立医科大学リハビリテーション医学教室、平成29年からは横浜市立大学リハビリテーション科学教室にて臨床、教育、研究に従事致しました。令和元年よりふるさと、宮崎県に帰郷し、整形外科教授でリハビリテーション科診療科長を兼務された帖佐悦男教授のもと、宮崎市立田野病院や宮崎大学医学部附属病院でのリハビリテーション診療に従事し現在に至っております。

 リハビリテーション医療は、単に疾病の治療だけではなく、機能回復や社会復帰を目指す幅広い領域を含んでおり、「活動を育む」ための医療と定義されています。急性期では重症疾患も含めて入院による活動性や身体機能の低下を生じさせないこと、回復期では疾患の治療、全身管理を行いながら生活に必要な活動性や身体機能を再獲得すること、生活期(維持期)では地域での在宅生活の基盤となる移動能力や生活能力を維持すこと、などをシームレスに実践するwhole bodyの医療です。そのため、対象となる疾患は従来からの運動器疾患、脳血管疾患、神経疾患などに限らず、循環器疾患、呼吸器疾患、がん、周術期、摂食嚥下など多岐にわたり、新生児から超高齢者まですべてのヒトが対象となります。
 宮崎県において、このような幅広い対象に専門的なリハビリテーション医療を提供することは、本学の重要な使命であり、そのためには臨床、教育、研究のさらなる充実が不可欠です。臨床面では、各診療科や各部門と緊密に連携をとりながら、早期から必要なリハビリテーション医療を実施します。超急性期からでも全身状態を確認し積極的な離床やリハビリテーション治療を開始します。当科では、特に活動性の向上を図る運動療法を重視しており、理学療法だけでなく作業療法や言語聴覚療法においても離床と抗重力位の確保を促進するよう治療方針を統一しています。この方針を実践するためには、疾患、病態、治療などの知識を常にアップデートし理解を深めていくことが必要であり、医学研究に積極的に取り組むことはその考え方を醸成するためにとても重要な要素です。医師、療法士の研究や大学院進学なども積極的に推進し、新たなフィールドへの挑戦や自己研鑽も推奨しています。また教育面では、医学生や看護学生、療法士育成校での卒前教育を行っているほか、リハビリテーション科専門医や専門的な技術や医学的な知識の優れた療法士の育成などの卒後教育にも力を注いでおり、将来の宮崎県でのリハビリテーション医療の充実、さらには全国、世界で活躍できるリハビリテーション医療人の育成を目指しています。
 今後も大学のスローガンである「世界を視野に地域から始めよう」の理念を尊重し、専門性のあるリハビリテーション医療と、それを実践できる人格と能力を備えた医療人の育成を行い、臨床、教育、研究を一層進展します。歴史ある宮崎大学医学部附属病院のリハビリテーション科、リハビリテーション部門として発展するため、今後とも御指導、御鞭撻の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、宮崎の自然環境は最高です。臨床や研究にもバランスよく取り組め、趣味や家族との充実した時間を過ごすこともできます。ぜひ一緒に働きませんか。

 

宮崎大学医学部附属病院リハビリテーション科 診療科長
宮崎大学医学部附属病院リハビリテーション部 教授
荒川英樹