研究分野の紹介
リハビリテーション科は小児から高齢者、そして変形性疾患から外傷・障害、関節リウマチ、骨粗鬆症、腫瘍まで非常に幅広い分野に渡っています。したがって研究テーマも多岐にわたりますが、現在当科では、骨粗鬆症や変形性関節症などのロコモティブシンドローム、関節リウマチやスポーツ疾患の病態解明および新しい治療法の開発を目的としたテーマを中心に研究を行っています。基礎的研究は他学部・他大学の基礎専門分野との共同研究や産官学連携を図り積極的に推進しています。
動作分析
通常、カヌー競技のパドリング動作(カヤック)では骨盤前傾位で、回旋動作を行うことが理想とされている。パドリング動作における骨盤の動きに着目し分析、検討を行った。
投球動作における身体運動と肩甲帯周囲の筋活動特性 ‐正常肩および投球障害肩での検討
投球動作時の肩関節、胸椎、骨盤の各角度と重心移動および肩甲骨周囲筋の活動に着目し、正常肩と投球障害肩で比較検討を行った。
ロコモティブシンドロームに対してのトレーニング効果の検討。
スポーツをしているときの体の関節の動きを計測することで、経験者のコツを見つけたり、上手さを数値化したデータベースを構築する研究を行っている。
実際の川で計測できる動作解析装置は市販では存在しない。本研究では装置の制作から解析・研究を一貫して宮崎大学研究グループが行った。
2010年1月より宮崎県内の総合型スポーツクラブでのロコモ教室にてトレーニング指導を行い、指導前後での身体能力や歩行能力の変化について検討を行った。
実歩行分析後にアンケートを行い、治療・リバビリテーションへどのようなに影響するかなどについて調査ならびに検討を行った。
メディカルチェック
メディカルチェックでの障害・外傷の調査、検討。
サーファーにおける外耳道外骨腫(サーファーズイヤー)の疫学研究ならびに低侵襲手術法の開発
長年サーフィンを継続すると、寒冷刺激により外耳道に外骨腫(Surfer’s Ear)とよばれる骨性隆起が高頻度に形成される。
外骨腫は、かなり進行するまで耳閉鎖感や、水の抜けにくさなどの症状が出ないため、軽症例では医療機関を受診することは少なく、なんらかの症状が現れて、病院を受診する際には、手術が必要な進行した状態に至っていることも多い。
近年サーフィン人口は大幅に増加しており、現状の把握と、外骨腫予防法の確立、啓蒙活動が必要である。外耳道に特化した検診を行いSurfer’s Earの疫学的知見をupdate するとともに、耳栓の使用による予防の必要性等を、客観的データから示すことを目指している。
有限要素用(FEM)
人工股関節置換術施行時におけるサポートリング使用時の力学的変化について
コンピュータ・シミュレーションである三次元有限要素法を用い力学的検討をすること。
体外衝撃波
体外衝撃波治療器の効果検討。
IT利活用
スポーツメディカルサポートシステムに関する動画を作成し、理解を深めてもらうことを目的とする。
解剖学
解剖学標本示説によるスポーツメディカル従事者の育成と技能向上の促進
理学療法士をはじめとするスポーツメディカル従事者を対象に、解剖学教員と整形外科医が協同して解剖学標本示説を行い、スポーツメディカルに従事する人材育成と技能向上に不可欠な人体構造の理解を臨床解剖学の見地から支持する。