宮崎大学病院に形成外科が出来ました

 平成27年3月より本院に赴任しました守永圭吾です。平成25年から福岡済生会病院へ2年間就労後、こちらにお邪魔しています。趣味は魚釣りです。まず、形成外科とはどんな科なのか説明します。形成外科は、創傷治癒を専門とする科として、主に整容的機能的障害を手術的に改善し、患者さんのQOLの向上を図ることを目的とした科です。よってその治療範囲は全身の多岐にわたり、具体的には以下のとおりです。

・顔面外傷・骨折および外傷後の変形 
・瘢痕(瘢痕拘縮・肥厚性瘢痕・ケロイド) 
・熱傷 
・頭蓋・顔面・躯幹・四肢の先天的奇形(先天性眼瞼下垂、多指症、合指症など) 
・良性腫瘍(あざ、ホクロ、粉瘤、血管腫など) 
・悪性腫瘍切除後の再建 
・難治性皮膚潰瘍 
・その他(嵌入爪、巻爪、顔面神経麻痺、加齢による眼瞼下垂、腋臭症など)
などその診療範囲多岐わたっています。

 現在本院就任して8ヶ月しか経過していませんが、この8ヶ月の診療の内訳(手術)は、60%頭頚科の再建手術です。月に約8~10症例の再建があります。ほぼ全例遊離皮弁で行っています。次に多いのは眼瞼下垂症、睫毛内反症の手術です。月に約4症例ほどあります。それと同じぐらい多いのが外科系の科から紹介されてくる再建症例です。次に多いのは顔面外傷です。月に2症例程です。その他は潰瘍などの治療、皮膚科疾患、先天奇形などです。特に皮膚科疾患は福岡では毎日数例の局麻手術が入っていましたが、現在皮膚科でこれらの手術を行っていますので私は皮膚科の手術カンファランスにだけ参加させていただいています。また私の最も本領を発揮できる潰瘍などの治療はそれぞれの科で行われていますため、私は長時間に及ぶ再建術に本腰を入れて診療が行えています。
 私が現在最も診療を行いたいのは先天奇形と乳房の再建です。特にこれらの疾患は形成外科が携わることで治療の選択肢が増えます。もちろん現在までその科単独で治療は行えますし、素晴らしい結果を出されています。しかし、多角的な視野でチーム医療を行うことも必要だと思えます。今後皆様が相談しやすい科になれば幸いです。どうぞ今後とも宜しくお願い致します。

宮崎大学外科学講座形成外科分野 守永圭吾

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