初期臨床研修と専門医研修

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初期臨床研修と専門医研修

膠原病感染症内科における研修カリキュラムや、初期臨床研修以降のキャリアアップについて簡単にご紹介します。

膠原病・感染症内科とは

膠原病感染症内科は宮崎大学医学部内科学講座 呼吸器・膠原病・感染症・脳神経内科学分野に所属する診療グループです。梅北邦彦診療科長の下、外来・入院診療、教育、研究を行っています。また、医学部附属病院検査部、感染制御部も担当しています。

取り扱う疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスを初めとする膠原病、膠原病に伴う呼吸器疾患や日和見感染症を主体とした呼吸器疾患、HIV感染症、輸入・新興感染症、院内の各診療科で治療に難渋している感染症、不明熱など診断困難な症例などです。

膠原病感染症内科において研修を行う特徴は、この領域の専門的医療について学ぶことのみならず、多臓器疾患を取り扱うため全身をバランス良く診ることのできる内科医としてのキャリア形成であり、多数の診療科にまたがった集学的治療の経験を積むことができることです。また、感染制御部や検査部も当科が担当しており、インフェクションコントロールドクターや検査専門医への道も開かれています。

初期臨床研修 (卒後1年目〜2年目)

宮崎大学臨床研修プログラムでは、当科を1ヶ月ないし2ヶ月の期間選択して研修します。

初期研修医ひとりあたり平均3〜4名の患者さんを受け持ちます。研修医ひとりにつき指導医2名(内科専攻医と教員スタッフ)の態勢で診療にあたります。
当科の診療では、発熱、関節症状、皮膚症状、神経症状、呼吸器症状といった多岐にわたる症状のアセスメントが必要です。感染症診療においては頻度の高い感染症、輸入感染症などの稀な感染症に対し、院内の、そして日本国内、果ては世界的な感染状況を踏まえて治療方針を講じることもあります。最新トレンドを追いながらも古典的/基本的な情報や知識も駆使して診療にあたる態度が求められます。その他、不明熱の原因検索と適切な対応についても、この研修で経験を積むことができます。治療薬は、副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤、分子標的薬そして抗菌薬を用いる治療が主体となりますので、耐性菌、薬剤有害事象、日和見感染症のマネジメントなど、幅広い内科医としての知識を要します。全身を診察し、病態に応じた検査計画の立案を行い、指導医と共に週2回のレジデントラウンドやカンファレンスにおいてディスカッションを行っていきます。診療方針の検討のみならず、プレゼンテーションスキルも身につきます。

内科専門医育成プログラム (卒後3年目〜5年目)

主治医として、初期研修医、指導医と3人態勢で診療にあたります。3〜4名の患者さんを受け持ち、検査・治療方針を立てて病状説明を行います。初期研修医に指導を行いつつ、内科専攻医として急変時の対応も含めて全身を診る実力を培います。そしてチーム医療の中心的役割を担い、多職種のスタッフとともに全人的医療を実践していきます。感染症診療においては指導医と共に院内感染コンサルテーションにも対応します。
J-OSLERに経験症例の登録を随時行い、経験した症例をまとめて学会発表や論文作成を積極的に行っていきます。
プログラムの3年間のうち1年間は宮崎大学以外の連携施設で診療にあたります。各施設は各サブスペシャルティ領域学会認定の教育施設も兼ねています。内科専門医受験資格を得るため宮崎大学で経験できない症例を経験できるだけでなく、膠原病・感染症分野においてより専門性の高い技術と知識を習得することができます。
なお、当プログラムの期間に大学院に進学した場合も、専攻医の研修期間として認められています。

内科サブスペシャルティ領域の専門医育成プログラム (卒後3年目以降〜)

内科専門医プログラムと併行して、サブスペシャルティ領域の診療経験も大学内外で積んでいきます。最短で卒後6年目に内科専門医を取得し、7〜8年目に呼吸器専門医、リウマチ専門医、感染症専門医などのサブスペシャルティ専門医を取得できます。

【取得できる専門医・認定医】

    • 日本内科学会 内科専門医・総合内科専門医
    • 日本リウマチ学会 リウマチ専門医
    • 日本感染症学会 感染症専門医
    • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
    • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
    • 日本臨床検査医学会 臨床検査専門医
    • 日本医真菌学会 医真菌専門医
    • 日本化学療法学会 抗菌薬臨床試験認定医
    • 日本化学療法学会 抗菌化学療法指導医
    • ICD制度協議会認定 インフェクションコントロールドクター
    • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

宮崎県キャリア形成プログラムについて

「宮崎県キャリア形成プログラム」では、9年間の適用期間内に基本領域専門医が取得できることを目指しています。サブスペシャルティ領域の専門医取得についても9年以内で達成することが理想です。「宮崎県キャリア形成プログラム」の対象医療機関は、内科専門医プログラムおよび各サブスペシャルティ領域学会認定の連携教育施設とオーバーラップしていますので、これらの領域について研鑽を積みながら(すなわち専門医取得を目指しながら)宮崎県の医療に貢献することが可能です。

大学院・学位取得

希望者は大学院に入学し、学位(医学博士号)取得を目指します。主なテーマは、膠原病、感染症などの自己免疫疾患の基礎的・臨床的研究です。
検査部の大学院生と共に、基礎医学と臨床医学の架け橋になるような研究を進めています。
詳細は「研究紹介」のページへ

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