バイオメディカル電顕リサーチサイト  BioMedical EM Research Site

CLEM観察法
Correlative Light and Electron Microscopy

宮崎大学医学部解剖学講座 超微形態科学分野
Department of Anatomy, Ultrastructural Cell Biology
Faculty of Medicine, University of Miyazaki



準超薄切片再包埋法
Re-embedding of semi-thin section


 樹脂に包埋された試料ブロックから直接、超薄切片を切り出すことも出来ますが、まずは準超薄切片で試料の状態や狙いとする細胞が含まれる準超薄切片を選び、樹脂に再包埋した厚さ1.5〜2.0 µmの準超薄切片から厚さ70〜80 nmの超薄切片を15〜20枚切り出して観察する工程を推奨しています。


従来、再包埋する際に樹脂包埋カプセルとスライドガラスの間から重合・硬化前の樹脂が漏出してしまったり、樹脂包埋カプセルが移動して切片とは異なる位置で硬化してしまうトラブル発生が少なくありませんでした。



 そこで、当研究室では独自の樹脂包埋補助ツールを利用して再包埋しております。



 これは片面に接着シールが貼付されたスポンジ状のリングで、孔の内径と樹脂包埋カプセルの外径が丁度、8 mmでピッタリはまりますので、予め樹脂包埋カプセルに装着したところへ樹脂を流し込みます。







 次に準超薄切片を樹脂包埋カプセル側にして、準超薄切片が樹脂包埋カプセルの中心に位置するように合わせてスライドガラスを接着させます。




 これで上下を反転して60℃で一晩(10〜12時間)または100℃で1時間30分加温し、樹脂を重合・硬化させます。接着シールの働きによって樹脂が漏れ出たり、位置がずれる恐れがなくなり、準超薄切片を中心に据えて再包埋できるため、作業効率が格段に向上します。




 重合・硬化した後、100℃前後に加熱したホットプレートで15秒から20秒加熱すると、準超薄切片が再包埋された樹脂を含むカプセルをスライドガラスから容易に離脱させることが出来ます(火傷しないように厚めの軍手をはめて作業して下さい)。




 離脱後、カッターで樹脂包埋カプセルを切開して樹脂を取り出し、トリミングします(「試料トリミング法」を参照)。




超薄切片作製法へ

CLEM観察法トップページへ