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治療 |
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放射性ヨード内服治療 |
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●適応疾患
甲状腺癌術後転移、 甲状腺機能亢進症 |
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<甲状腺癌術後>
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治療原理
消化器から吸収されるヨードは、甲状腺濾胞上皮細胞に取り込まれて甲状腺ホルモンに合成されます。同様に、甲状腺由来のがん細胞にもヨードを取り込みます。この性質を利用して、放射性ヨード(131I
)を甲状腺がんに取り込ませ、放出され放射線(β線)によって治療を行います。131I
のβ線の有効飛程は0.5mmであるため、微妙な転移巣(直径数mm)や潜在性(不顕性)病変がもっとも良い治療の対象となります。 |
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治療目的と適応
術後の残存癌組織、局所再発あるいは遠隔転移(肺、骨など)を131I で治療します。局所で進行した甲状腺癌に対しては肉眼的病変が無くても、残存甲状腺(甲状腺床)の破壊を目的とした131I
の投与が行われます。これをthyroid remnant ablation とよびます。微小あるいは不顕性転移巣病巣の予防的治療であると同時に、新たな転移の診断がしやすくなるメリットもあります。 |
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前処置
投与中の甲状腺ホルモン剤はT4はT3に変更し、治療の2週間前からはT3も中止します。食事ヨードも2〜3週間前より制限します(ヨード制限食については後述)。
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131I
治療方法
当院ではヨード内服治療のため2週間程度の入院をしていただいております。
治療の目的病巣によって投与量が決まります。ablation および局所残存病変に対しては2.2〜3.7GBq、肺転移に対して5.5〜7.4GBq、骨転移に対しては7.4GBqを経口投与します。
治療患者はRI特別治療病室に移動し、放射能が法的許容量以下に減衰するまで隔離します(通常3日〜4日)。 |
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治療効果
分化型癌の転移あるいは再発巣の約75〜80%に集積がみとめられ、少なくとも半数に高い治療効果が期待できます。臨床的には、年齢、腫瘍の大きさ、転移の出現部位、組織型なども治療効果を左右することが知られています。甲状腺分化型がんは約30%が再発し、再発の2/3は術後10年以内に発生します。Mazzaferri
らの多数例の検討では、手術のみ施行した802例のうち38%が再発したのに比べ、術後に131I
治療を追加した138例では再発率が9%に低下したと報告されています。甲状腺分化がんの10年生存率は90〜95%とされていますが、長期生存率に関しては、今後の報告が待たれます。
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副作用
131I 治療の副作用には、治療後すみやかに発生するもの(3ヶ月以内)と、晩発性(3ヶ月以降)に出現するものがありますが、当病院で使用している3.7GBq以下の131I
の初回治療では、重篤な副作用は無いと考えられます。
131I 投与後数日間は全身倦怠や食欲不振などの放射線宿酔症状が出現することがありますが、数日で改善します。唾液腺は131I
の生理的集積部位であり、放射性の炎症による腫脹や疼痛が一過性に生じることがあります。また味覚異常が出現する場合もありますが数週間で改善します。
骨髄機能障害は線量性依存性で、投与した131I の合計が37GBqを超えると骨髄機能低下や白血病の発生が報告されています。この場合は急性骨髄性白血病が多く、131I
治療後10年以内に発生します。頻度は0.5%であり、この白血病による死亡は、甲状腺癌再発による癌死の危険率の1/4〜1/40と見積もられています。 |
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<甲状腺機能亢進症の治療>
1998年6月に、厚生省からの通達でアイソトープ治療が500MBq(13.3mCi)までなら、外来で治療しても良いことになりました。症例によっては外来でできないこともあります。主治医の先生が判断されますが、ほとんどの場合は、外来でバセドウ病のアイソトープ治療は可能です。
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治療原理
ヨードは甲状腺組織に親和性があり、亢進症では摂取率が高く、甲状腺濾胞のコロイドの部分に摂取されます。放射性ヨード(ラジオアイソトープ)は平均6日の有効半減期で、甲状腺全体を均一に照射し、過機能を抑制します。分かりやすく言えば、ラジオアイソトープで小さく縮めて治そうというものです。外から放射線をあてるわけではなく、痛くもかゆくもない治療です。放射線を使いますが、俗に言われているように、がんや白血病になったり髪が抜けたりはしません。
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適応と禁忌
適応:心臓病や肝臓病などがあり手術できない人、手術を受けることをいやがっている人、手術後に再発した人などが、この治療に適しています。年齢的には、15歳以上なら問題ありません。
禁忌:妊娠中又は授乳中の女性はアイソトープ治療をしてはいけません。しかし妊娠可能な年令の女性でも手術ができないときはアイソトープで治します。そのときは、6ヶ月間の避妊を要します。 |
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前処置及び治療直後の処置
治療前1週間、治療後3日間はヨ?ド摂取を止めます。例えば、海草類(昆布、ひじき、ワカメ、のり、寒天など)、ヨード卵、昆布出しの入った調味料は止めます。ヨード制限食(後述)をとって下さい。
治療前4日、治療後3日間は抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジールまたはプロパジール)は中止します。
ベータ遮断剤は症例によって、抗甲状腺剤、ヨード剤を中止した時から開始して下さい。甲状腺機能が落ち着くまで服用して下さい。
ヨード剤(造影剤など)は治療7日前から中止、治療3日後より開始して下さい。 |
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実際の治療について
アイソトープのヨードカプセルを飲むだけです。治療量のカプセルを飲む前に甲状腺にどれくらいアイソトープが取り込むかをみる検査(摂取率)をする場合と最初から370MBq(10mCi)前後の大量のアイソトープを投与し、副作用としての甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの補充で調整する方法があります。
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アイソトープ治療48時間以内の注意事項
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毎日の水分摂取を増やしましょう。服用したアイソトープのほとんどは、48時間以内に尿中へ出ます。
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風呂は、最後にお入りください。お湯を抜いた後は、シャワーで浴槽をよく洗ってください。汗に少量のアイソトープが出るからです。
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できれば一人で寝てください。夫婦生活は避けてください。唾液や体液に少量ですがアイソトープが出ます。
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赤ちゃんの世話は1日2時間程度にしてください。甲状腺に取り込まれた放射性ヨードから放射線が出るからです。特に、あなたの頸部に近づけないでください。
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女性の場合、6ヶ月間は避妊をしてください。放射性ヨードは1ヶ月もすると甲状腺からさえも出ていきますが、安全である時期を6ヶ月後としています。
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治療効果
治療効果は緩徐ですが、数週後より発現し、数ヶ月間は続きます。初回投与で60〜70%は治癒し、3回の投与でほとんどが治癒します。
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副作用
アイソトープ治療のために一時的に抗甲状腺剤を中止しますので、アイソトープ治療前後に動悸など甲状腺機能亢進症の症状が出ることもあります。そのようなときにはベータ遮断剤などで治療すれば、良くなりますから心配ありません。そのうち、抗甲状腺剤やヨード剤を再開すれば甲状腺ホルモンが落ち着いてきて気分も良くなります。変わったことがあれば、主治医の先生に電話で質問されるといいと思います。
アイソト−プ治療後3〜4ヶ月経った頃、筋肉がつることがあります。これはアイソト−プ治療が一番効く時期に当り、一時的に甲状腺ホルモンが低下するためです。ほとんどの場合は3〜6ヶ月経つと回復して来ます。この期間、甲状腺ホルモン剤(チラージンS)を服用することもあります。
アイソトープ治療の欠点は10年以上経ってから甲状腺機能低下症になる人が50%いることです。しかしこの場合には甲状腺ホルモン剤を飲めば心配ありません。 |
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<付録>
ヨード制限における摂取禁止食品
| 絶対禁止品目: |
ヨード含量が極めて多いため、絶対に禁止する品目
1.海藻類(コンブ、ワカメ、海苔、ヒジキ、モズク、テングサ)
2.昆布加工品(おぼろこんぶ、とろろこんぶ、昆布茶)
3.コンブだしおよび風味調味料*2
4.昆布エキス含有食品
5.ヨード卵 |
| 大量摂取禁止品目: |
ヨード含量は多いが、大量に摂取しなければ良い品目
1.テングサ加工品(寒天、ところてん、羊羹)
2.たら、たら使用の練り製品(蒲鉾、ちくわ、はんぺん、ふかし)
3.貝、えび
4.青身魚(さば、いわし、かつお、ぶり、にしん)
5.赤身魚(まぐろ、さけ、ます、シーチキン)
6.補助栄養食品(サプリメント)
7.牛乳 |
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◆昆布エキスについて
食品へのヨード混入頻度の高い物質としてインスタントみそ汁や、だし入り味噌やだし入り醤油があげられる。カップ麺、なども同様である。また、合わせ調味料のドライカレーの素やガーリックライスの素等にも昆布エキスが含まれている。さらに「十六茶」は、十六種類の自然素材のブレンド茶としてアサヒ飲料から販売されているが、この十六の成分の一つが昆布エキスである。したがって、十六茶は銘柄指定で制限品目としている。スポーツ飲料ではアクエリアスに昆布エキスが含まれている。これなどは、説明に際して銘柄指定では、かえって混乱を生じるため、スポーツ飲料全般を禁止せざるを得ない。また、一部のヨーグルトやプリンには、とろみ付けのために寒天が添加されていることがある。グリコのヨーグルトが、その一例である。
◆ヨード含有薬品
遭遇する臨床的な確率の高い薬剤は、ヨード造影剤、殺菌・消毒用ヨード製剤、総合感冒薬(ダンリッチ)と思われます。また甲状腺ホルモンを含む薬剤、乾燥甲状腺(チラージン 、チレオイド)、レボチロキシンナトリウム(チラージンS)、リオチロニンナトリウム(チロナミン、サイロニン)、更年期障害治療薬(メサルモンF)もヨード制限中には、中止する必要があります。
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