胸部グループの診療は大きく2つに分けられます。一つが胸部画像診断でもう一つが肺癌に対する化学療法です。
肺癌が癌死の第一位になり数年が経ちます。肺癌が治りにくい理由の一つとして、進行するまで症状が出にくく、早期発見が難しいことが挙げられます。見つかったときには手遅れであることも少なくありません。その一方で早期肺癌の段階で見つかった人は適切な治療により根治できる割合が高いのも事実です。世間でも肺癌検診についての意識も高まっている様子で、小さな病変、遠隔転移の無い段階で発見される割合も以前に比べ増しているように思われます。これら小さな病変に対し、高分解能CTを用いた精度の高い画像情報を提供したり、あるいは小さな肺癌の組織診断を可能にするCTガイド下肺生検(写真1にリンク)を主な仕事の一つとして行っています。
また、一般に肺癌の治療は、手術、抗癌剤、放射線治療の3本柱を中心に集学的治療が行われているのが現況です。手術が出来ない場合は抗癌剤や放射線治療が治療の主体となります。抗癌剤に関しては新規薬剤の開発が相次いできた中、これら薬剤の評価もようやく固まりつつあるところです。当科でも治療効果の高い薬剤を用い、標準的な肺癌化学療法を行っています。加えて、肺腫瘍に対するラジオ波凝固療法(RFA)を行っています。これは、元来、肝腫瘍の治療法として発展してきた治療法で、肺癌への応用が期待されている新しい治療法です。しかしながら、依然として進行肺癌の生存率は世界的に見ても十分とは言えない状況です。放射線治療部門とも協調し、より効果の高い方法で質の高い医療の提供を目指しています。
胸部領域は肺癌をはじめとして感染性疾患、びまん性肺疾患など非常に多彩な疾患が見られる領域です。消化管疾患の場合は内視鏡的に組織診が比較的容易に行われますますが、肺の場合は診断に適した組織を採取することがまだまだ難しいことも事実です。従って診断における画像の占める重要性はかなり高いと思われます。近年CT装置は急速な進歩を遂げています。精緻な画像が短時間に撮影されるようになり、画像の質は飛躍的に高まっており、益々臨床現場における画像の重要性は高まってきています。しかしながら、画像診断にある一定の限界があることも事実です。このような症例に対しては、CTガイド下肺生検法があります。当科では、小さな病変に対する確実な組織診のため、CTガイド下肺生検法を行い、速やかな治療方針の決定に寄与しています。
また、CT肺癌検診が各地で導入されてきています。小さな肺癌の発見にCT検診は大きな期待が寄せられており、各地で放射線科医が貢献しています。
不幸にして肺癌になったとしても、早期に発見出来るよう、また、種々の治療法を駆使して、肺癌にうち勝つ人が一人でも増えるよう、私たち胸部グループは頑張っています。 |