教室紹介

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(教授挨拶)

2024年3月1日より宮崎大学医学部病理学講座 腫瘍形態病態学分野(旧第2病理)の教授を拝命いたしました佐藤勇一郎と申します。就任にあたりご挨拶申し上げます。

1991年宮崎医科大学を卒業後、宮崎医科大学旧1病理(現病理学講座構造機能病態学分野)で学位取得後、県立宮崎病院、また宮崎大学医学部附属病院病理部で勤務し、病理診断を中心に仕事をおこなってきました。

今後は病理学講座腫瘍形態学分野でおこなっていた癌の基礎的な研究も加えて、研究を進めていきたいと思います。また学生教育に関しては、わかりやすい、病理に興味を持てる講義を目指し、大学院生に対しては、研究マインドを持つ医師の育成をおこないたいと考えます。最後に臨床の先生方に信頼していただける病理医を一人でも育てていきたいと思います。教室員とともに精進していく所存です。

佐藤 勇一郎

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免許・資格

医学博士(宮崎医科大学甲第154号)

死体解剖資格医(登録第6853号)

日本病理学会病理専門医(認定2041号)

日本臨床細胞学会細胞診専門医(認定第1978号)

日本病理学会専門医研修指導医

日本病理学会分子病理専門医(認定第99号)

日本臨床細胞学会教育研修指導医(認定第1081号)

日本病理学会・がんセンターコンサルタント

所属学会

日本病理学会、日本臨床細胞学会、国際病理アカデミー、

日本婦人科病理学会、日本婦人科腫瘍学会、日本小児病理研究会、

日本泌尿器病理学会

専門領域

一般病理診断、婦人科病理、胎盤病理

(学部教育)

開学以来、病理学系統講義(総論・各論)及び病理組織実習を三年次に、病材示説講義を五年次に病理学講座構造機能病理学分野(旧 病理学第一講座)および病院病理部と協力して行なってきた。平成14年度から五年次の病材示説講義は二週間の臨床実習(ポリクリ)に組み込まれ、また六年次におけるクリニカルクラークシップの受け入れ講座として、構造機能病態学分野、病院病理部と共に希望する学生を受け入れている。平成19年度から、系統講義のうち各論部分が四年次のカリキュラムに組み込まれた。三年次の系統講義では臨床医学の基礎たるべき病理学総論を重視し、同時に可能なかぎり最新の知見を取り入れて紹介することに努めている。

(病理診断・解剖業務と卒後教育)

構造機能病態学分野および病院病理部と協力して、病理診断と病理解剖を隔週毎に担当している。地域の病院からの依頼に対しても外来組織診断部を構造機能病態学分野と共同で運営し、これに対応している。卒後教育としては、研修医の病院病理部へのローテーションに対して病院病理部をサポートする形で研修医教育に尽力している。また積極的に大学院生を受け入れ、学位取得後、病理分野のみならず臨床各科に送り出してきた。病理学を志す大学院生には病理専門医資格取得も目標として教育を行い、成果をあげてきた。

(研究活動)

いずれの研究も既成の先入観にとらわれないこと、世界に発信できることを心がけている。また、できるだけ個々の研究者が独自の自由な発想に基づく研究が展開できるよう配慮してきた。開講以来の研究テーマは癌の浸潤・転移機構の解明である。特に癌細胞由来のプロテアーゼとインヒビターや癌細胞・間質相互作用に焦点をあてて研究を行ってきた。近年はプロテアーゼによる増殖因子の細胞膜上での活性化調節機構、そして細胞膜結合型プロテアーゼインヒビターの生理活性について精力的な研究を行なっている。これらのプロテアーゼや膜型インヒビターのノックアウトマウス作成と解析を通じて新たな生理活性を明らかにするなど、この分野では常に世界に新しい情報を発信してきたと自負している。またこれらの研究の過程で新たな生理活性蛋白を見出して消化管粘膜再生に関する興味深い知見を得るなど、教室の研究基盤と領域は確かに広がりつつある。より網羅的なアプローチを用いて、癌細胞浸潤に関わる(治療の分子標的になり得る)新規機能遺伝子を釣り上げる試みも行なっており、いくつかの興味深い遺伝子を見出している。

(教室の歴史)
年月出来事
1975 宮崎医科大学医学部病理学第二講座として開講(河野正初代教授)
2001.3 河野正先生退任
2001.8 片岡寛章教授就任
2003.10 宮崎医科大学と宮崎大学が統合
2004.4 宮崎大学が独立行政法人化(国立大学法人宮崎大学として創設)
2005.4 「病理学第二講座」から、「病理学講座 腫瘍・再生 病態学分野」へと講座名変更
2005.10 伊藤浩史助教授が福井大学医学部病理学講座(腫瘍病理学)に教授として転任
2006.8 当教室出身の鍋島一樹先生が福岡大学病理部教授に就任
2023.3 片岡寛章教授退任
2024.3 佐藤教授就任