中村 咲和(なかむら さわ)先生 プロフィール
宮崎県出身。2018年3月に宮崎大学卒業後、2018年4月から本院で初期研修を行い、2020年4月から宮崎大学医学部附属病院放射線科へ入局。
小学生の時、病気で入院したことがあるのですが、その際、病院のスタッフの方々がとても優しく接してくださったことが医療職を意識するきっかけだったと思います。高校生の時には進路を医師か看護師かで迷ったのですが、実際に薬を処方したり、治療方針を考えたりしたいと思い、医師を志しました。
初期研修は出身大学の宮崎大学でしています。研修2年目で妊娠・出産し、育休を取得しましたが、妊娠中や育休明けのローテーション等についても様々に配慮いただき有難かったです。
肝臓という臓器にとても興味を持っていたのですが、どうしても内視鏡が合わず、消化器内科への入局を迷っていました。そこで放射線科なら画像診断や血管内治療といった立場から肝臓に関われるのではないかと思って入局しました。
学生時代から宮崎大学にいて知り合いの先生も多く、症例も豊富なため大学病院を選びました。
症例が多いのに対し、医局員の人数が限られているので、他県でのように症例の取り合いになることはまずないです。また、子育てへの理解があって、子供の発熱等での急な欠勤に対してもフォローできる体制を築いてくださっており、大変働きやすいです。
とても恵まれた環境で研修できていると感じます。読影では分からない所見があれば気軽に質問できますし、毎日夕方にその日の症例の振り返りの時間を設けていただき、フィードバックしてもらえます。手技中もすぐ隣に上級医の先生が居てくださってフォロー体制が充実しています。
読影では、主治医の専門外の分野の副病変をみつけ、それが緊急性の高い疾患であった場合は、「これを見落としていたら患者さんの予後が変わっていたかもしれない」と、やりがいとともに身の引き締まる思いを抱きます。あとは出血に対するIVRでは出血部位を塞栓したら数分で患者さんの循環動態が安定することが度々あり、すごいなぁと思いながら上級医を見ています。
日々の読影を一例一例、丁寧に行うことです。教科書とにらめっこしつつ、指導医にフィードバックも貰って、コツコツ読影経験を積んでいくことを繰り返しています。
昨年は子供が保育園に通いだして間もないころで、月に一度は発熱で仕事を早退したり欠勤せざるを得なかったことが、悔しかったり申し訳なかったりで複雑な気持ちでした。今年に入ってからは子供の免疫がついたようで発熱で呼び出される頻度がぐっと減って、かなり働きやすくなりましたし、集中して読影できるようになりました。
初期研修医として放射線科をまわってくれたとある先生が、楽しそうに読影をしている姿が印象的だったのですが、その先生が他県ではありますが放射線科に進んでくれたのを聞いたときはうれしかったです。
丁寧に、穏やかに教えてくださいます。些細なことでも質問すると嫌な顔ひとつせずに教えてくださるので、質問する側としても安心して相談できます。
週に1回、放射線科の入院症例の検討をおこなったり、論文の紹介をおこなったりしています。呼吸器や救急、脳神経外科とのカンファレンスもそれぞれ週1で行われています。
まだ放射線治療や核医学分野をローテ―トしていないので、そこを経験してみてから、専門分野を考えたいと思っています。今はまだ毎日を過ごすことに精一杯なので、方向性を決めるのはまだ先でもいいかなと思っています。また、子供もまだ小さいので、細く長く続けていきたいと考えています。
どの科に進む方も、とりあえずは専門医取得がひとつのメルクマールになるのではないかと思います。そのためにはある程度、症例数の揃う病院を選ぶ必要があるとは思います。あとは同じ科でも病院によって分野の特色や、働く体制が異なると思うので、色々見学して自分の希望に合うところを見つけられるのが理想なのかと思います。
職員数が多い分、同期もたくさんいます。たまに廊下ですれ違ったときにたわいもない会話ができて、そうしたちょっとした一息が励みになったりもします。宮大出身の先生にとっては特にアットホームに感じるのではないかと思います。
(左:指導医 東先生、右:専攻医 中村先生)