泌尿器科 指導医インタビュー

2022.03.11

永井先生インタービュー動画

永井 崇敬(ながい たかひろ)先生 プロフィール

職歴経歴 宮崎県出身
出身大学:宮崎大学
初期研修:宮崎大学医学部附属病院
初期研修修了後、宮崎大学医学部附属病院泌尿器科に入局。鹿児島市のにいむら病院、県立日南病院、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院を経て、現在、本院で診療・後進育成にあたっている。

 宮崎大学医学部附属病院の特徴をお聞かせ下さい。

都会の病院と比較して、県外で治療を継続する患者さんは少なく、宮崎県内で一連の治療が完結することが多いと思います。
また、系列の違う病院は少なく、宮崎大学病院が最後の砦としての役割を担う機会が多いと思われます。

 先生が所属されている泌尿器科の特徴をお聞かせ下さい。

腹腔鏡手術をはじめ、泌尿器腫瘍、排尿障害などを中心に最先端の医療を行っていると思います。
一般泌尿器科としての専門制はもちろん、小児泌尿器科や、腎移植、泌尿器がんなどのサブスペシャリティーについて、それぞれのエキスパートの指導下に診療技術および専門的知識の習得をすることができます。
男気のある指導医のもと、各医局員がのびのびと医業の習得や、プライベートを充実させていると思います。
当科の特徴として、宮崎県内で良質な限られた医療資源を有効に活用するために「宮崎県泌尿器科医療連携(Miu-NET)」というシステムを使って連携を組織的に進めています。
基幹病院と地域の医療機関で役割分担し、例えば、前立腺肥大症や尿管結石に特化した病院や、女性の骨盤内臓器脱の治療に特化した病院などセンター化した病院で最先端の医療機器を使い、思う存分に治療を行い、修練医の技術を習得する体制ができています。

 先生が泌尿器科に進まれたきっかけをお聞かせ下さい。

薬物による治療にも興味がありましたが、自分の手を使って直したかったため、外科系の診療科が選択肢であったというのが一つと、もうひとつは、初診で見た患者を最後まで見ることができることが魅力でした。
例えば、血尿で来院された患者さん、膀胱がんで、抗がん剤治療が必要で、その後、根治目的の手術を行って、その後のfollo-upを行ってという経過であれば、泌尿器科医がずっと見ることになります。
ずっとかかわっていくという意識でいると、初診の時から、不安を和らげてあげたり、理解できる説明をする努力したり、安全に抗がん剤治療を行う知識をつけたり、自身の手術の技術を上げて合併症riskを減らしたり、そういった知識や技術を身につけとする努力が自然とできる診療科に惹かれました。

 先生が患者さんとの対応で特に気をつけていること・意識していることをお聞かせ下さい。

それぞれの個性や、背景や状況を理解して、同じことを伝えるにも相手がどう受け止めるだろうかを考えて、文書にしたら同じ言葉ですけれども、言葉の強さだったり、トーンだったり、あとは説明する場所や環境などをすごく気を付けています。
受け手側の理解が第一であり、説明したことが理解できているかを常に考えながら説明することを意識しています。
また、医師やコメディカルの方々との関係を良好にし、患者さんが困ったときや、患者さんのご希望がうまく医師に伝わらない時に、助けてもらえる関係をつくっておくことが非常に重要と思っております。
自分が見れていないことを他の方が気づくことはよくあり、広く耳を傾ける、相談しやすい環境をつくることを大事にしています。

 日々の中でやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか。

仕事を時間内に見事に終わらせて、プライベートが充実できたとき。もちろん仕事が充実していることが大前提です。

 これまでの後期研修と新しく専門医制度になってからとで変わった点などありますか。

泌尿器科をまわってくる研修医を見ていると、昔と比べてプライベートのことを質問してくる研修医が少ないなと思います。
研修って自分の職場を決める職場体験という意味も含まれていると思います。例えば、夕方帰ったら何をしていますかとか、単純に年収いくらですかとか(笑)、とても気になることを聞いてくる先生があまり少ないですね。そういったことを聞いて、自分の生活や性格にあった職場を選ぶ場面だと思っているので、研修または病院見学で来たときにはぜひ、聞いてください。

 先生は研修時代どのようにお過ごしでしたか?今の研修医を見ていて「ここが違うな、変わったな」という点があれば教えて下さい。

それはそれは楽しい研修時代でした(笑)。
今の研修医は、みんなさん、さっと帰りますね。ただ、やならいといけないことがスリム化して、見えやすくなっているからさっと帰れているのかなという印象があります。制度が整ったことにより、帰れているのかなと思います。僕たちの頃は、何時までに何をしたら良いだろうかと不安なところがありましたが、制度が良くなってきているのかなと印象を受けますね。

 研修医(または専攻医)に指導をされる際にどのようなことに気をつけていますか。

指導者の立場として、患者さんとお話しするときと共通することですけれども、各個人の現在の到達度と理解力そして目標を正しく把握することが第一かなと思います。相手が求めていることに対して、何ができるだろうかを常に考えてあげることが必要なのかなと感じます。あと、それぞれの個性とか背景を理解して、言葉やトーンを選ぶというのが大事なのかなと思っています。
そのためにもコミュニケーションがすごく大事で、この子は飲んだら歌い出すんだなとか(笑)、そういうのを理解するのも大事ですし、何をしているときが楽しいんだろうかを知るのも大事だし、やっぱり踏み込んだコミュニケーションを取らないと分からないことがあるから、気軽に相談できる環境を作ることが大事ですね。

  病院を巣立っていく研修医(または専攻医)をご覧になってどう思われますか。また、どんな医師になってほしいと思われますか。

次に一緒に働くときは、自分を上回って来るだろうなぁと…
今度、会ったときには、僕のことを超えてくる何かを持って帰ってくるんだろうなと思います。それぞれの多岐にある分野で何か1つ僕を超えてくるものを得て、新しいこと、分からないことがあったら教えて欲しいというのが素直な気持ちですね。

 今まで指導されてきた中で、特に印象に残っている研修医(または専攻医)はいらっしゃいますか。

一緒に働くようになって、国内留学とかを経て戻ってきた時に、そこが印象的になるのかなと思います。僕の役に立つようになったなとか(笑)、 いろいろ教えてくれるから助かります(笑) ということですね。
僕の指導医の先生が学んできたことは、そこで固まっているかもしれないですけれども、新しい世界を見て帰ってきて、教えてもらうことは、すごく大事な僕の財産なので、どんどん教えてくださいと言う気持ちでいますね。たくましくなって帰ってきて欲しいです。

 これから専門研修先を選ぶ初期研修医に向けてメッセージをお願いします。

いろんな壁とかぶち当たることがたくさんあると思いますが、結局、到達点とか目標とかは人それぞれで、またその道のりも人それぞれです。初期研修医のうちにいろんな人に出会って、医師、コメディカル、患者さんも、自分の親、プライベートな友達とか、いろんな話を聞いてみてください。医者の世界は固まっている世界なので、それに留まることなく、一般の人はどう考えるだろうかって医者じゃない人たちと接しないとなかなか分からないことだらけなので、そこで自分の世界を狭める必要はないので、積極的にいろんな人と話して、そこから良いところをとって 自分の人格を形成していくことが楽しく生きるこつなのかなと、最近、思います。無理せずに楽しくやるためにいっぱいコミュニケーションをとっていただければと思います。

 最後に宮崎県、病院のPRをお願い致します。

宮崎で研修して宮崎の医局に入って、その後、国内留学や海外留学で勉強してきたことを宮崎に持って帰ってくると、実は宮崎の中では最先端な治療で、自分がいなければ宮崎の人は治療が受けられないという状況があり得ます。だから自分のモチベーションを持って、自分が宮崎の医療を変えてやるという強い気持ちを持っていれば、必ず何かできます。チャンスはいっぱい転がっていますので、ぜひ一緒に働きませんか。

(左:指導医 永井先生、右:専門医 伊藤先生)