泌尿器科 専門医インタビュー

2022.03.11


伊藤先生インタービュー動画

 

伊藤 歌織(いとう かおる)先生 プロフィール

鹿児島県出身。宮崎大学卒業後、宮崎大学医学部附属病院で初期研修を行い、宮崎大学医学部附属病院泌尿器科科へ入局、2021年に泌尿器科専門医を取得し、現在にいたる。

 医師を目指したきっかけをお聞かせ下さい。

生物の授業が好きで、ちょうど私が高校生の時にDNAの塩基配列の解読が始まったところでもあったので、研究をしたいと思って医学部を選びました。なので元々、医師になりたい!と思っていたわけではありません。

 初期研修はどちらで研修されたのでしょうか。また振り返ってみていかがでしたか。

宮崎大学を選びました。鹿児島出身なので鹿児島の病院にも見学に行ったのですが、半日ほどみたところで病院の実際の内情などわかりませんでした。その点宮崎大学なら「あの科は雰囲気がいい」「ここは手技をさせてくれる」などわかりますし、また県内の病院なら「ここは麻酔科がいいらしい」や「ここは小児科がおすすめ」など選ぶための情報が入りやすいので、自分の将来のビジョンも踏まえて取捨選択がしやすくてよかったです。

 専門研修で泌尿器科を選んだ理由をお聞かせください。

学生のころから「性機能」にすごく興味がありました。特に男性生殖器に関しては私が持っていない臓器のため、すごく面白いなと思ったのが一番の理由です。また、泌尿器科は「腹腔鏡」や最近では「ダヴィンチ」手術が多く、最先端の手術手技を取得することが可能であること、また外来での処置も多く手を動かすのが好きな私としてはぴったりだなと思いました。

 専門研修先として宮崎大学医学部附属病院を選んだ一番の決め手は何ですか。

一番は賀本教授のカリスマ性ですかね。あとは、賀本教授が京都大学や札幌医大などの国内留学を勧めていて、そのため科内に常に他大学の先生が交換留学生として働いており、宮崎医いながら名門他大学の考え方を勉強できたりすることはいい点だなと思いました。また、先ほども述べましたが泌尿器科は腹腔鏡やダヴィンチがメインですので、俗にいう「スーパードクター」ではなくどちらかというと「全国共通同レベルの手術が可能である」というシステムになっています。つまり都会だろうが田舎だろうが大きな差はない、というのが強みなので、あとは好きな先生だったり好きな県で考えたときに宮崎を選んだということです。

 宮崎大学医学部附属病院の泌尿器科の特徴を教えてください。

雰囲気の良さ、仲の良さは売りですね。賀本教授もご存じの通り話しやすい先生ですので、日々の臨床で意見交換しやすい環境になっていると思います。現在は厳しいですが、飲み会もよくあるので飲み会が好きな人にはポイントかもしれません。
診療に関してですが、1年目から手術執刀、外来をすることができるので臨床力・技術力がつくスピードはとにかく速いです。なので「何年目にならないと手術や外来がまわってこない・・」という悩みは全くないのかなと思います。

 実際に宮崎大学医学部附属病院の研修はいかがでしたか。

初期後期含め満足です。取捨選択しやすい初期、とにかく現場に立たせてもらえた後期と、自分に必要な研修はしっかりできたと実感しています。

 泌尿器科でやりがいを感じるのはどういった点でしょうか。

事前準備をしっかりとした状態で、手術をしっかりと完遂でき、その患者さんが元気に帰っていくのを見るとやりがいを感じます。
また、頻尿など日常生活に影響する病気で、患者さんとじっくりと相談し、薬剤治療や生活習慣のアドバイスなどでよくなったときはとてもうれしいですね。

 専門研修で1番勉強になったことはどんなことですか。

全科の中で癌も良性疾患も、手術も薬物治療も、小児も移植もと診療分野が多岐にわたるのが泌尿器科の特徴で、覚えることが多く、またやり方考え方のバリエーションもあるので、大学で多くの先生の意見や作法を勉強することができるのは私にとっても大事なことだと思っています。

 研修をされる中で、苦労された事、難しいと感じるところはどういったところでしたか。

とにかく分野が広いので、覚えなければいけないことが多く、知らないことは逐一調べて頭に入れていかないと追いつかないなと思うとことです。特に前立腺癌や腎癌など新しい薬剤が毎年出てくるためアップデートするのが大変だなと感じました。

 何か研修中に印象に残っているエピソードはありますか。

標準治療でなかなか治らない患者さんがいまして、その治療法を論文で調べて上司に提案し、倫理委員会を通して治療をして治ったということがありました。治ったことはもちろんですが、自分で調べた方法を上司含め科が了承してくれたこと、自分の力で治療法を組み立てられたことがすごく自信につながりました。

 指導医の先生方のご指導はいかがですか。

泌尿器科の先生方はみんなフレンドリーです。相談や意見交換がしやすく、また熱く指導してくれるためとても勉強になります。手術となると厳しいことを言わざるを得ない場面もありますが、後輩たちが早く力をつけるためにどうすればいいか日々考えてくれる先生方です。

 泌尿器科のカンファレンスについて教えてください。

週3回、月と金は朝30分程度、火曜は14時から2時間程度です。今週来週の手術内容の確認、入院患者の報告、入院予約患者の報告、あとは相談症例となります。2週に1回は病理部との病理カンファレンスもあり、みんなでプレパラート標本を見つつ患者さんの組織結果に関して意見を交わします。

 今後のキャリアについて、どのような方向性でキャリアを積んでいきたいですか。

昨年に専門医を取得することができました。今後はサブスペシャリティも考えつつ、国内留学を予定しています。現在は「性同一性障害」や「男性学」に興味があり、宮崎大学ではやっていませんので他大学に勉強に行きたいと思っています。それをサブスペシャリティにするかどうかはまだわかりませんが、手術も外来もというスタンスは今後も続けていきたいと思います。

 専門研修病院を選ぶポイントを初期研修医に向けてお願いします。

都会の病院のよさは、同期が多く、スーパードクターといわれる方も多いことだと思います。逆に田舎の病院の良さは、同期が少ない分上司部下ともに密接で、先生が少ないため即戦力として打順が回って来やすいことです。自分の行きたい科が都会のほうがいいのか、田舎のほうがいいのかはそれぞれですので、じっくり考えて選択してください。

 最後に宮崎大学医学部附属病院のPRをお願い致します。

泌尿器科はもちろんのこと、他科の先生も有事の際には快く協力してくれる先生方ばかりです。早く力をつけたい方、意見交換しやすい環境でのびのびと研修したい方、おいしいご飯が食べたい方、サーフィンや自然が好きな方など、ぜひ宮崎大学を選んでほしいと思います!

(左:指導医 永井先生、右:専門医 伊藤先生)