リハビリテーション部の紹介

 リハビリテーション部は、患者さんとご家族に対して、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、事務(医療ソーシャルワーカーなど)のリハビリテーションチームが連携を図ることにより、できるだけ早期に住みなれた地域で最良の生活が営めるよう、安全で質の高いリハビリテーション医療の提供に努めています。
医師が3名、理学療法士が18名、作業療法士が7名、言語聴覚士が5名、事務が1名、クラークが2名となっております。
また整形外科病棟の看護師スタッフがリハビリテーションにおける看護を行っています。

 本院再整備の一環として、リハビリテーション室の再整備および拡張が行われました。
患者数・技師数の増加に伴い、理学療法室・作業療法室が拡張され、言語聴覚療法室も3室に増やしました。
また、運動療法機器、物理療法機器、検査測定機器についても最新機器を新規導入し、最先端のリハビリテーション医療が提供できる体制に整備されました。

 

【実際の診療】

 理学療法は、運動器疾患、脳血管疾患、心大血管疾患、呼吸器疾患などを持った患者さんに対して物理療法、運動療法、基本動作訓練、日常生活活動訓練などを実施しています。
対象患者さんも小児から高齢者、スポーツ選手と多岐にわたります。
様々な理学療法業務の中から、今回は、理学療法の専門分野である動作解析についてご紹介します。
従来の動作解析はビデオカメラなどを用いた2次元解析でしたが、近年光学式の3次元動作解析装置の進歩により、動作を3次元で計測、解析し、動作中の関節角度、重心移動などがより正確にわかるようになりました。
本院でもこの3次元動作解析装置を用いて、術前術後の動作の比較、リハビリテーションの効果判定や、スポーツ選手のフォームチェックなどを行っています。

 作業療法は、運動器疾患、脳血管疾患などにより障害を持った患者さんに対して、損なわれた日常生活の再建を目的に、生活行為や手を使う訓練など実施しています。
また、身体面・精神面への訓練や道具・住環境整備などを行い、最近では、手の外科疾患や関節リウマチ、高次脳機能障害の領域についても積極的に実施しています。
作業療法は「生活」がキーワードです。入院患者さんは退院後の日常生活のイメージが出来ずに不安になることも多いかと思いまが、スムーズに退院後の生活に移行して頂けるよう、作業療法室にはリハビリテーション用のトイレや浴槽、キッチンなど住宅に近い環境を用意しています。

 言語聴覚療法では、言葉を聴く・話す、文字を読む・書く、摂食・嚥下などに障害のある患者さんに対して、評価・訓練、指導、環境調整などを実施しています。
成人の言語聴覚療法では、主に脳血管疾患や神経筋疾患、舌癌などによる言語障害に対しての訓練、指導、環境調整などを行い、また最近では高次脳機能障害といわれる認知や記憶、行為などに障害のある患者さんに対しても評価や訓練を実施しています。
小児の言語聴覚療法では、言葉の発達の遅れに対するフォローや、口蓋裂などの先天的な障害に対する発音の定期的な評価や訓練を行い、また学校などとも連携しながら就学後の学習面、行動面(注意障害、多動性障害など)へのフォローも実施しています。

 

 

 
光学式3次元動作解析装置
   
作業療法風景
言語検査風景