バイオメディカル電顕リサーチサイト  BioMedical EM Research Site

透過型電子顕微鏡 試料作製法
Sample Preparation for TEM Observation

宮崎大学医学部解剖学講座 超微形態科学分野
Department of Anatomy, Ultrastructural Cell Biology
Faculty of Medicine, University of Miyazaki



エポキシ系樹脂包埋法
Embedding into Epoxy-resin


エポキシ系樹脂は水と馴染まない疎水性であることから、試料に含まれる水分をアルコールに置換して脱水します。

試料ビンの溶液を50%、70%、90%、100%エタノールに10分間ずつ、段階的に入れ替えていきます。100%エタノールは5分間ずつで構いませんので、念を入れて2〜3回入れ替えると良いでしょう。


100%エタノールの次はエポキシ系樹脂に馴染みやすいアセトンに置き換えます。



脱水が完了したところで、樹脂浸透へ移ります。アセトンとエポキシ系樹脂の1:1混合液に入れ、60分間浸透させます。この際、振盪器やローテーターを用いると浸透が促進されます。




試料の脱水・樹脂浸透が十分に完了したところで、樹脂に包埋して樹脂を重合・硬化させます。包埋には試料の形状に応じて、シリコン製の包埋板やカプセルを使用します(包埋板やカプセルにも様々な形状の製品が販売されています)。

シリコン製包埋板の例を紹介しますが、はじめに包埋板の凹みに樹脂を流し込みます。次に、試料名が印字された紙片を挿入した後、凹みの先端部に試料を入れていきます。




試料が揃ったところで、包埋板を重合装置へ入れます。重合装置は60〜100℃を一定に保つ機能があれば使用できます。




60℃で一晩(10〜12時間)置くと、樹脂が完全に重合して硬くなります。





ラットから採取した各種臓器のブロック・ライブラリー



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