バイオメディカル電顕リサーチサイト  BioMedical EM Research Site

透過型電子顕微鏡 試料作製法
Sample Preparation for TEM Observation

宮崎大学医学部解剖学講座 超微形態科学分野
Department of Anatomy, Ultrastructural Cell Biology
Faculty of Medicine, University of Miyazaki



エポキシ系樹脂調整法
Epoxy-resin mixture


エポキシ系樹脂はEpon812、DDSA、MNAと加速剤のDMP-30の4剤を混合して調製します。






はじめに試料の大きさや数に応じて最終容量(Total)を決めます(余りは冷凍保存できるため、少し多めの設定をお奨めします)。

次にポリカップを計量器にのせて、Epon812を計り入れます。ここでメーターをゼロにリセットし、続いてDDSAを計り入れ、メーターをゼロにリセットした後、最後にMNAの順に注ぎ込みます。いずれも粘性が高いため、微量調節が難しいところですが、使い捨てのプラスチック製スポイト等を利用して上手く計り入れて下さい(多少のズレは問題になりません)。



Epon812、DDSAとMNAまで計りいれた後、この3剤をスターラーで攪拌します。この際に極力、気泡が生じないよう心がけます。




3分ほど攪拌した後、DMP-30を追加して計り入れ、再び攪拌します。DMP-30が混ざると色調が濃く変化しますので、ムラが生じないよう5分程度かけて十分に攪拌します。

次に真空ポンプで混入した気泡を除去します。目に見えない気泡が重合熱で膨張して樹脂内に固まり、観察の妨げになりますので、十分に脱気する必要があります。





気圧の低下に伴って樹脂内から次第に気泡が生じ、ビールの泡状に盛り上がってきます。ポリカップから溢れそうになったら一旦、弁を開放して圧力を上げて泡を解消させ、再び弁を閉じて気泡を生じさせます。この繰り返しによって次第に気泡が生じなくなったら完了です。

スターラーで樹脂を攪拌する際に気泡が生じると脱気に時間を要するため、前述のとおり泡立てないよう注意しながら攪拌することが肝要です。

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