バイオメディカル電顕リサーチサイト  BioMedical EM Research Site

透過型電子顕微鏡 試料作製法
Sample Preparation for TEM Observation

宮崎大学医学部解剖学講座 超微形態科学分野
Department of Anatomy, Ultrastructural Cell Biology
Faculty of Medicine, University of Miyazaki



固定液調製法 Fixative solution


電子顕微鏡試料作製に用いる固定液の作製法をご紹介します。

電子顕微鏡観察では「2% パラフォルムアルデヒド/2.5% グルタルアルデヒド/0.1M リン酸緩衝液(pH 7.4)」の組成が標準的に使用され、試料の特性に応じて濃度が調整されます。

8% パラフォルムアルデヒド溶液調製
約90 mlの蒸留水にパラフォルムアルデヒド粉末8 gを溶解後、蒸留水を加えて100 mlとします。パラフォルムアルデヒドは溶解しにくいため、100 ml当たり2〜3滴の1N NaOHを添加し、60〜70℃のホットプレート付スターラーで攪拌します。

蒸気が角膜や咽頭を刺激しないよう、ドラフトチャンバー内でアルミホイルで蓋をして攪拌します。約20分間の攪拌で溶解した後、念のためフィルターペーパーを通して濾過します。



2% パラフォルムアルデヒド/2.5% グルタルアルデヒド/0.1M リン酸緩衝液, pH 7.4調製
最終容量 100 ml 当たり
8% パラフォルムアルデヒド 25 ml50% グルタルアルデヒド 5 ml/0.4M リン酸緩衝液(pH 7.4)25 ml/蒸留水 45 ml

※ 注) ストック用の0.4M リン酸緩衝液を冷蔵保存すると、微細なリン酸結晶物が形成されて観察の妨げとなるため、室温で保管して下さい。 

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