エピソード  Episode

声をあわせて♪
Corus Club

宮崎大学医学部解剖学講座 超微形態科学分野
Department of Anatomy, Ultrastructural Cell Biology
Faculty of Medicine, University of Miyazaki

私は現在、ラグビー部と合唱部の顧問を兼任しております。えっ、ラグビーと合唱?とお思いの皆さまにご説明申し上げます。

横浜国立大学教育学部(現・教育人間科学部)附属鎌倉中学校は合唱がとても盛んでした。1学年4クラス、全12クラスが交代で週一回の全校集会朝礼で舞台に上がり、練習の成果を披露した後、全校で同じ曲を全員合唱することが慣例でした。課題曲は2週間ごとに変わり、毎朝、各教室から流れる歌声で一日が始まりました。

卒業式の恒例としてフィナーレを飾る卒業生全員合唱「河口(組曲・筑後川より)」は圧巻で、今でもイントロを耳にするだけで胸がジーンと熱くなります。

まだ当時は合唱部がなく、毎夏のNHK全国合唱コンクールには3年生の有志が夏休み返上の特訓を受けて出場しておりましたが、日頃の積み重ねもあって、神奈川県大会で金賞を連続して受賞するほどの実力を示していました。

さて、3年生に進級し、有志のコンクール出場者が募られる頃、密かに思いを寄せていた同級生が出場することを聞きつけた私は「これで夏休み、ずっと一緒に唄える!」と、迷いなく出場に名乗りを上げました。

ところが・・・女子の希望者が出場制限枠を越え、オーディションが行われた結果、意中の子は落選してしまいました(涙)。今さら手を下げる訳にもいかず、半ば傷心を抱きながら特訓を受けた結果、金賞の栄誉を受けることは出来ましたが、動機が動機だっただけに複雑な思いでした。。。






青春の甘酸っぱい思い出が宿る合唱部の顧問を引き受け、学生に混ざりお揃いのTシャツを着て音楽祭の舞台に立つこともあります。視野狭窄にも陥りかねないサイエンスの世界に身をおきながら、学生諸君と声を合わせハーモニーを奏でることは、真夏の清涼飲料水に匹敵する爽快感を与えてくれます。