エピソード  Episode

ラグビーで合格!?
Unique Examination

宮崎大学医学部解剖学講座 超微形態科学分野
Department of Anatomy, Ultrastructural Cell Biology
Faculty of Medicine, University of Miyazaki

神奈川県立湘南高等学校で過ごした3年間はラグビー部に所属し、左フランカー(6番)のポジションで主将も務めました。悲願の関東大会出場を目指して日々、厳しい練習に励み、大学受験に備えた勉強は引退後に開始することが不文律とされ、砂にまみれた部室の壁には「現役 偶然、一浪 当然、二浪 平然、三浪 唖然、四浪 愕然」と落書きされていたことが鮮明に思い出されます。




3年の春に惜しくも関東大会出場を逃して引退した後、9月に開催される体育祭をクラスの総務長として牽引し、受験勉強に乗り出したのは共通一次試験を4ヶ月後に控えた10月に入ってからでした。そして医学部合格を目指して迎えたセンター試験は213点(800点満点)に終わり、半ば計画通りに浪人生活を迎えました。

決意を新たに予備校へ通い始めて1ヶ月が過ぎたころ、すし詰めの教室で画一的な講義を受けることに疑問を抱き、自宅浪人に切り換えて夏をこえ、秋が過ぎ、センター試験を迎えました。初志貫徹し、最低目標の700点を超えて710点(800点満点)を獲得し、二次試験出願大学を検討していたとき、宮崎医科大学のユニーク入試制度が目にとまりました。

前期日程50名のうち20名は、筆記試験に代えて「指定推薦書」の提出により、高校時代の部活動や生徒会活動を評価する選抜方式でした。




前述の通り、ラグビーや体育祭など勉強以外に全てをかけていた青春が、全人的に評価される選抜方式に運命を感じて出願した結果、志願倍率9倍の難関を突破して「合格」通知を受け取ることができました。





入学してみると高校ラグビーの花園大会出場経験者、高校野球の甲子園出場経験者をはじめ、水泳やサッカー、バスケットボール等々、宮崎医科「体育」大学と称されるまでの強者が揃っており、ラグビー部は1年目にして西日本医科学生大会で準優勝を果たしました。







現在は宮崎大学医学部ラグビー部顧問・監督ならびに宮崎県ラグビーフットボール協会理事(大学委員長)を務めながら、現役部員と楕円球を追いかける日もございます。ラグビーで医学部に合格したユニークな経歴も、その真価が問われるのは「これから」であり、解剖学を専門に医学の発展と後進の育成に尽力して参ります。