東京都中野区にある哲学堂公園は、哲学世界を視覚的に表現し、哲学や社会教育の場として整備された全国に例を見ない個性的な公園です。
哲学者で東洋大学の創立者で哲学者の井上円了が精神修養の場として、明治37年にソクラテス、カント、孔子、釈迦を祀った「四聖堂」を建設し、創設されました。
園内の到る所に哲学に由来する概念橋や経験坂、理性島や絶対城など、七十七を数えるユニークな名前の坂や橋などが点在し、井上円了の思想と世界観を垣間見ることができます。
実は、私の曾祖父である山尾新三郎は、井上円了の思想に基づき、哲理門や四聖堂、六賢台などを設計、施工した宮大工でした。
六賢台に立つ私を天国からどう見ているか、深い思いを抱きつつ、ゆっくりと園内を一周しました。
直覚径
「唯心庭より丘上の論理域に達する近道を選ぶとするならば、この直覚径を行けばよい」(案内版より)
先天泉
「我々の心の深奥には時に教育や経験を超越した高妙尊厳の消息に接することがあるのを、この天然泉に喩えている」(案内版より)
認識路
「もし、丘上の論理域に至らんとするのに、直覚径をさけて、よく事物を知覚し推理して、おちついて登らんとするならば、この路を選べばよい」(案内版より)
概念橋
「理性(島)に達する道程には概念(橋)が存するとしてこの名をつけた」(案内版より)
演繹観
「論理に達する参観者は、ここで小憩してよろしく内省し、よく道理にあてはめて断定するようにされたい」(案内版より)
独断峡
「独断とは精神上の思想を基礎としており、この断崖を行くことが唯心底に通ずるのでこの名がある」(案内版より)
春は桜の名所としても知られる哲学堂へ、是非一度、足をお運び下さい。あなたの世界観が変わるかも知れません・・・。
現在、哲学堂公園は、中野区有形文化財に指定されています。
哲学堂ホームページへ
所在地
〒165-0024
東京都中野区松が丘1-34-28
交 通
西武新宿線「新井薬師前駅」から徒歩12分
都営大江戸線「落合南長崎駅」から徒歩13分