2 附 属 病 院 の 施 設

(1) 施 設
【過去5年間の概況】
 過去5年間の医学部附属病院施設の主な整備状況は、 下表のとおりである。
主な整備内容
施工年度 事 業 内 容 備   考
平成7年度 MRIーCT装置棟増築 R2 163m2
材料部改修 改修面積 656m2
電話交換機室改修 改修面積 135m2
平成9年度 周産母子センター増・改修  R1 増築 786m2、 改修 466m2
放射線部高速CT撮影室改修 改修面積 140m2
外来食堂改修 改修面積 390m2
平成10年度 病棟重症病室改修 24室
附属病院外壁改修 全体
附属病院便所・浴室・洗面所等改修 バリアフリー化
薬剤部治験薬品室増築 R1 25m2
平成11年度 ヘリポート更新 20m×20m
救急部研修医室増築 R1 39m2
附属病院防火シャッター改修 14か所
霊安室改修 洋室及び和室タイプ
【点検・評価】
1) 老朽化
 当大学の附属病院における過去の整備状況をみると、 既存面積の約93.8%が、 昭和52年に整備されており、 既に23年を経過しているため、 建物等の老朽化や機能の劣化が急速に進んできているが、 国の財政は依然として厳しい状況下にあるため、 いかにして老朽施設の機能を良好な状態で維持していくかが、 施設面での重要な課題となってきている。
 しかし、 このような状況の中で重症病室の改修、 特に病院内の便所・浴室・洗面所等の全面改修 (バリアフリー化) が行われたことは評価できる。

2) 充足率
 附属病院施設の充足率 (保有面積/必要面積) は、 平成11年度は、 約95.6%であるが、 平成12年度には 「基準面積算出」 の改定があるため、 約79.1%となる予定である。
 なお、 来年度の基準面積改定では、 「1日当たりの外来患者数」 が大きく係わってくることになったことから、 「1日当たりの外来患者数」 の少ない当大学にとっては、 大変厳しい改定内容となっている。 (1日当たりの外来患者数が、 950人〜1,000人の他大学と比較すると、 当大学の必要面積は、 約2,400〜2,800m2も少ないことになる。)
3) 狭隘度
 近年の医療を取り巻く社会的環境の変化、 高度先進医療の発展、 患者ニーズの多様化、 地域医療の向上と連携、 医療機器の新鋭化、 及び教育面の改革等により、 現有施設の狭隘化が進み、 既存施設の有効利用にも限界が生じ、 当大学附属病院も抜本的な拡充整備が必要となってきている。

4) 安全性
 附属病院の耐震診断は、 平成8〜10年にかけて終了しているが、 構造耐震指標 (Is) が0.39と非常に耐震性能の低い階があった。 特に、 外来診療棟の1階 (薬剤部関係)、 2階 (第一及び第二外科)、 病棟給食室、 放射線科病棟、 精神科病棟、 リバビリテーション部が低い数値を示している。
 しかし、 耐震補強工事を行うにしても、 病棟については24時間稼働していることから、 仮設病棟等の手段を講じる必要があり、 多額な費用と労力を費やす等、 困難が予想される。
【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
1) 老朽化及び安全対策・狭隘解消と整備構想
 新設医大の中でT期校である旭川医科大学と愛媛大学が既に病棟の増築と改修整備に取りかかっている。 これは、 病棟の環境改善、 運営改善、 組織等の整備改善等を主目的としているが、 2期校である当大学も、 この流れに乗る必要がある。 しかし、 当大学には 「病棟」 の適切な増築スペースが無いため、 兼々課題となっていた現在の外来診療棟 (高層であるため患者サイドに立った外来診療棟になっていない) を病棟として改修整備し、 新たに外来診療棟を再整備する計画である。
 この計画は、 既設病棟の大型改修を含め、 5か年計画とするが、
・患者サイドに立った外来診療棟が整備できること。
・病棟の狭隘解消が図れること。
・附属病院の老朽解消と耐震補強が同時に実施できること。
 以上、 大きく3点の大幅な改善が図れることになり、 平成12年度概算で要求中である。

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