1 医 学 部 の 施 設

(1) 施 設
【過去5年間の概況】
 過去5年間の医学部等施設 (医学部・一般教養・図書館・福利施設・保健管理施設・動物実験施設・屋内運動場・RI施設・課外活動施設) の整備状況は、 部分改修を除くと、 主な事業は、 下表のとおり講義実習棟改修 (延べ6,517m2) のみである。
主な整備内容
施工年度 事 業 内 容 備   考
平成7年度 講義実習棟改修 R4 改修面積6,517m2
平成9年度 基礎臨床研究棟便所改修  
平成11年度 体育器具庫改修 S1 2棟
基礎臨床研究棟外壁部分改修  
【点検・評価】
1) 老朽化
 当大学の医学部等施設における過去の整備状況を見ると、 既存面積の約91.6%が昭和50〜55年にかけて整備されており、 既に20〜25年を経過しているため、 建物等の老朽化や機能の劣化が急速に進んできている。
 平成9年度の全国調査によると、 通常、 改修等の措置が必要な時期である経年20年を経過している建物が、 約52% (国立大学等が保有する全施設面積の) であることから、 かなり高い数値といえる。
 また、 老朽改修を図るにしても、 国の財政状況は依然として厳しい状況下にあるため、 いかにして老朽施設の機能を常に良好な状態で維持していくかが、 現状からみた施設の重要な課題となっている。

2) 充足率
 医学部等施設の充足率 (保有面積/必要面積) は、 91.3%と比較的高く、 これは他大学と比較しても、 かなり高い整備内容である。 (平成9年の調査によると、 「学部・大学院」 の充足率の全国平均は、 約70%である。)

3) 狭隘度
 医学部等施設の今後の不足整備としては、 「充足率がやや低い図書館 (80%)」 、 「今だ暫定施設である情報処理センター」、 「未整備の救急医学講座」、 「チュートリアル等の臨床教育スペース」、 及び 「共用プロジェクト研究施設」 等が考えられる。

4) 施設有効利用
 近年、 全国的に既存施設の 「有効な施設共同利用及び活用」 が問われているが、 当大学では既に、 「臨床プロジェクト研究施設」 として約546u、 及び 「共同利用施設 (大学院室・カンファレンスルーム等)」 として、 約1,299uが、 それぞれ学内規程、 又国有財産取扱規程で 「使用許可願い」 を必要としており、 この点では他大学を一歩リードしていると評価できる。
5) 安全性
 学部等施設の約92.5% (延べ面積の) は、 建築基準法が改正 (耐震性能) された昭和56年以前の建物である。 一部耐震診断を実施した建物もあるが、 高層建物については、 引き続いて診断を進める必要がある。
【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
1) 老朽化対策
 築後、 20〜25年経過している建物を対象に、 下表のとおり、 既に平成12年度に概算要求している建物と、 長期計画書において 「向こう5年間程度に改修を必要とする建物」 を計画として上げている。

  棟 名 称 構造 面 積 備 考
平成12年度に概算要求中の改修建物 動物実験施設 R3 2,860m2 昭和52,55,58
図書館 R2 1,600m2 昭和53
長期計画書において改修を必要とする建物
(向こう5年間程度)
基礎・臨床研究棟 SR7 16,320m2 昭和51〜52
福利施設棟 R3 1,890m2 昭和51
体育館 RS 11,150m2 昭和51

2) 狭隘解消と整備構想
 充足率の高い当大学においては、 たとえ残資格面積があったとしても、 増築等が認められる可能性は極めて低い。 また、 キャンパス内に小さな建物を点々と計画した場合、 将来既存施設の改築、 再開発時に問題を残すことから、 適切な整備とは言えない。
 このことから、 平成13年度に新設要求予定の 「(医) 看護学科」 の研究棟の中に兼々課題となっていた 「図書館の増築」、 「情報処理センターの整備」、 「救急医学講座の整備」、 「臨床教育スペースの整備」 及び 「共用のプロジェクト研究施設の更なる整備」 を包含し、 「総合的な施設」 として平成13年度概算で要求する計画である。

3) 施設の有効利用と改善方策
 当大学は医学科の居室面積の14.4% (延べ1,845m2) を既に共用面積として共同利用しているが、 全国的な他大学の計画状況は、 約20%を目安として学内協議を行っている。 このことから、 当大学も既存施設の利用状況を調査し、 更なる施設の有効活用と活性化を図っていく必要がある。
 現在、 施設課において既存施設の実態を調査し、 その評価と見直しを図るための 「基本データ」 を作成中であり、 12年度中に 「施設委員会」 で協議する予定である。

4) 安全性対策
 現在、 既存施設の耐震診断を必要とする建物は、 「基礎・臨床研究棟」、 「福利施設棟」、 「図書館」 及び 「体育館」 の4棟であるが、 その内 「基礎・臨床研究棟」 は、 平成12年度に診断経費を文部省へ要求することが決定している。
  なお、 診断の結果 「構造耐震指標 (Is)」 の低い建物にあっては、 大型改修とリンクして補強を図っていく計画である。

[ 戻 る ]