1 医学部の管理運営

(1) 教授会
【過去5年間の概況】
 教授会は、 宮崎医科大学学則第6条にその設置を規定し、 具体的な審議事項等については、 宮崎医科大学教授会規程で次のとおり定めている。 (平成12年3月現在)
 (1) 学則その他重要な規則の制定、 改廃に関する事項
 (2) 予算、 概算の方針に関する事項
 (3) 学科、 講座、 学科目、 教育研究施設等の設置、 改廃に関する事項
 (4) 学生の入退学、 進学、 試験、 卒業及びその他身分に関する事項
 (5) 教育課程の編成に関する事項
 (6) 学生の厚生補導に関する事項
 (7) その他教育研究及び管理運営に関する重要事項
 (8) 教育公務員特例法の規定によりその権限に属せしめられた事項

 教授会は、 学長、 副学長及び専任の教授をもって構成され、 大学 (医学部) における最高決議機関として位置付けられている。
 なお、 教授会は、 学長が招集し、 その議長となり、 原則として月1回開催 (平成9年度までは月2回開催) されている。 近年の開催状況を見ると、 平成7年度21回、 平成8年度19回、 平成9年度16回、 平成10年度16回、 平成11年度16回である。
 おって、 平成12年4月1日の国立学校設置法等の一部改正に伴い、 教授会の審議事項が明文化されたため、 本学においても審議事項の見直しを図ったところである。
【点検・評価】(取組・成果・課題・反省・問題点)
 国立大学の独立行政法人化、 大学改革、 教育改革、 さらには大学進学率の向上、 少子化等近年の国立大学を取り巻く情勢に鑑み、 教授会は大学の存続をも左右しかねない重要な役割を担っている。
 これまで教授会は、 構成員の英知を結集し、 学生の教育改革、 大学の管理運営に当たり、 充分にその機能を果たしてきた。 その中で、 最近の特記すべき事項について以下に記述する
(ア) 教授選考について
 平成8年4月に 「教授選考の見直し」 に着手し、 平成9年3月に 「教員選考内規」 の大幅な改正を行った。 その内容は、 教授候補者に講演を課すこととしたもので、 その趣旨は平成10年10月の大学審議会答申 「21世紀の大学像と今後の改革方策について−競争的環境の中で個性が輝く大学−」 (以下 「大学審議会答申」 という。) にもあるとおり、 「大学・学部の理念・目標や将来構想に応じた選考を行い、 教育面への配慮を行うことが必要である。」 との提言にも合致するものである。
 従来、 ややもすると業績等を中心に専門分野の研究能力が評価されていたものを、 教授能力や研究能力の幅の広さを充分評価できる方法として、 教授会において選定された候補者3人によるそれぞれ約1時間の講演を取り入れた。
 また、 公募に当たっては、 医学部学生に対する教育方針と自己の研究分野の関連性を述べさせ、 さらに、 臨床系教授にあっては具体的な手術件数などを明記させるなど、 幅広い視点に立った選考を行い、 選考過程の客観性、 透明性を高めている。

(イ) 学生の教務・厚生について
 教授会の審議事項の中における学生の教務・厚生に関する事項は膨大な量があり、 また複雑な問題が山積しているため、 教務・厚生委員会で充分な審議がなされることにより、 教授会での審議の円滑化を助けている。
 教務・厚生委員会では、 開学以来25年を経て、 カリキュラムの見直しが必要であるとの意見が出され、 特に大学審議会答申にあるような 「入りやすく出にくい大学」 との観点から、 カリキュラム検討部会を設置し、 成績評価基準の厳格化、 学年毎の進級バリアの設定等の見直しを教授会に提案し承認を得た。
 現在、 カリキュラム検討部会では、 教育課程の抜本的な改革の必要性に鑑み、 カリキュラムの見直し、 OSCE、 チュートリアル教育、 クリニカルクラークシップ等の導入に向けた検討が進められている。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
 前述のとおり大学改革、 教育改革の真っ只中にある今日、 教授会の審議事項は増大しており、 個々の事項に充分な審議時間を割くことができない状況になりつつある。
 医学部には、 25の委員会等と各附属施設等の下に運営委員会を擁しており、 これらの委員会での充分な審議の要請、 委員会機能の活用を図り、 内容に応じて権限を委譲するとともに、 教授会の審議事項の見直しを図り、 真に重要な事項について密度の高い、 精力的な審議を行い、 大学の最終意志決定機関としての体制の強化を図るべきである。
 また、 教授選考に係る講演会は、 教授会構成員を聴講の対象として実施しているが、 全教職員、 学生も聴講できるよう改めることを検討中である。

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