4 看   護   部

【過去5年間の実績等】
1. 診療科等の特色等
  「愛と和」 をモットーに 「患者に信頼される質の高い看護」 の提供に努めた

1) 看護単位の特殊性に応じた看護の充実を目指し、 各々の単位が目標を設定した。 加えて平成8年度からは、 強化モデル病棟を設置した。 強化内容は各々一項目とし、 (1)変則二交替制勤務(2)固定チームナーシング(3)呼吸理学療法(4)看護過程(5)外来看護の充実の5病棟が誕生した。 中でも(1)変則二交替制の導入は患者への継続看護に役立っており、 現在3看護単位で試行している。 (2)固定チームナーシングは受け持ち看護婦制を基盤においた方式として殆どの病棟において実施。 (3)呼吸理学療法は呼吸器系の内科病棟と集中治療部の合同で公開講座を開催できるようになり、 地域看護へも貢献している。

2) 周産期看護:平成10年度に周産母子センターが開設され、 極小未熟児のケア、 多胎妊娠等のハイリスク妊産婦のケア、 異常分娩時における救急ケア等、 高度化された医療の中で地域の中核となって看護を提供。 又、 国際化に伴い国際色豊かな児の誕生も多くなり、 英語版 「Mother's Guide Book」 を作成し、 異国での妊産婦の不安を和らげ、 好評を博した。

3) 患者サービスと療養環境の改善:(1)患者へのアンケートその他より患者の生活スタイルに合わせた面会時間、 入浴時間、 消灯時間を検討し変更した。 平成8年度よりテレビ付床頭台へ変更し、 病院案内や検査・手術説明等にも有効活用できている。 (2)接遇マナーの向上のため、 身だしなみ・挨拶の励行に関する標語の掲示や部内での接遇研修を実施し、 啓蒙活動に努めている。

4) 患者の安全確保:事故報告書の提出と予防対策についての教育は継続しており、 マニュアルの作成も事故内容により見直しをくり返している。 インシデント、 アクシデントの対策は看護部門内だけの対策ではなく、 今後病院全体での組織的な取り組みが必要である。 事故防止の研修は毎年実施している。

5) 感染対策:(1)消毒薬の適正使用状況調査、 MRSAの汚染状況調査 (病室、 手指) 等実施。 感染症病室の消毒を薬液噴霧からオゾン+紫外線殺菌消毒に変更した。 (2)ベッド用マットの消毒が課題であったが、 EOG殺菌乾燥燻蒸装置の設置が可能となった。 (3)感染対策に必要な備品としては周産母子センターに殺菌灯付きシューズボックスを設置した。 (4)看護婦の靴をサンダル式から靴式に切り換えた。 (5)患者及び職員への手洗い啓蒙活動 (標語の募集と掲示)、 院内感染防止マニュアルの作成等感染対策婦長を中心に推進している。

6) 防災対策:毎月1日を 「防災の日」 として火災対策、 地震対策のイメージトレーニングを実施。 「防災の日点検及び確認一覧」 のチェック、 防災マニュアルの読み合わせ、 担当者による病棟点検などを実施しており防災意識が図れている。 防災用具のチェックと更新も今後継続していく。
2. 看護体制
1) 人員構成:看護部長副看護部長看護婦長看護婦(294)看護助手
2) 組織構成:図−1、 図−2 参照


図−1


図−2
3. 地域への貢献:教育、 研修
1) 看護学生実習受入れ:3校 (200余名)
3) 看護学生への講義:2校
5) 公開講座:年1回 (平成10年度〜)
2) 看護実務者研修受入れ:10名前後(毎年)
4) 他施設の実務者への講義:10名前後(毎年)
【点検評価】 (取組・成果・課題・反省・問題点)
1. 看護の提供:受け持ち看護婦制を基盤にしたチームナーシングにより継続看護の充実を図っている。 しかし、 外来看護婦を固定できず、 外来看護の質の向上が図れていない。 新看護 (A) 加算2.5:1の看護であるが、 看護補助料及び夜間勤務等看護加算の取得はない。 特定機能病院としての看護を充実させる為にも上位看護加算の取得が必要である。
2. 看護部門の目標管理:看護部の方針に基づき年度毎の目標を設定し、 組織をあげて成果達成に努めているが、 看護部単独では解決できない問題 (例:看護周辺業務の外部委託などの間接業務) もある。 看護の質向上、 病院の経営改善のためにも看護部門から積極的に他部門への働きかけを必要とする。 又、 チーム医療を円滑にするためにも他職種間の連携を強化し、 評価に耐えうる専門性を発揮することが課題である。

【今後の改善方策、 将来構想、 展望等】
1. 患者サービスの徹底及び向上
 1) 患者満足度の情報収集  2) 環境整備  3) 接遇  4) 患者家族の待合室の設置
 5) ボランティア受入れの強化  6) ケースワーカー・ソーシャルワーカーの雇用促進
2. 病院経営への参画
 1) 病院の健全な経営及び運営に対する積極的な発言
   経営意識の向上を図る(コスト意識)     看護婦による診療報酬加算率のアップ
   夜間勤務等看護加算・看護補助料の獲得と更に上位看護料の取得 (新看護2:1)
   各種の指導料算定業務の推進    共通病床の効率的運用
3. 医療情報システム構築による業務の効率化と看護の充実
 1) 電子カルテの導入   2) 看護支援システムによる看護ケア提供の充実
 3) 地域医療との連携強化
4. 情報開示の取組み:インフォムドコンセントに基づいた対応
5. リスクマネージャーの選出と組織的活動
6. 外来看護の充実:退院サマリーの活用による患者指導
8. 救急患者受入れ体制の整備
9. 看護周辺業務の整理:外部委託 採血業務の中央化 ME機器の中央管理化
10. 医学部看護学科の実習受入れ開始に伴う教育環境の整備:臨床実習指導者の育成

[ 戻 る ]